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いつ? なぜ? どのように?
「七五三」が楽しくなる由来と薀蓄を知る

■「季節行事」の意味と由来を知る・11月編

|皇室の七五三を体験する

皇室の「深曾木(ふかそぎ)の儀」が模擬体験できる東京・永田町の日枝神社

 皇室では今も古式ゆかしく袴着の儀礼が行われている(皇室では「着袴〈ちゃっこ〉の儀」という)。
 たとえば、皇太子徳仁親王殿下は昭和39年(1964)11月1日に、愛子内親王殿下は平成18年(2006)11月11日に、悠仁親王殿下は平成23年(2011)11月3日に行われている。
 儀礼の内容は、東宮御所の広間で東宮侍従と東宮大夫がお子様に白絹の袴をつけ、紐を結ぶというものだが、男子の場合、これに続いて「深曾木(ふかそぎ)の儀」がある。
 これは天皇皇后両陛下から贈られた童形服(どうぎょうふく)を着けられた親王殿下が碁盤の上に立たれ、東宮大夫に髪の毛先を削いでもらうというもの。面白いのはその後で、「えいっ」という掛け声のもとに盤上から畳へ飛び降りられるのである。

日枝神社は江戸時代は徳川家の産土神、明治以降は皇居を護る神社として崇敬されてきた

 実は、この碁盤上からのジャンプを、七五三のシーズンに限り体験できるところがある(七五三の年齢の子どもが対象)。
 千代田区永田町に鎮座する日枝神社である。
 皇城(皇居)鎮護の神社として、また天下祭とも呼ばれる山王祭の神社として有名な日枝神社であるが、このシーズンには境内に数面置かれていて、七五三を迎えたお子さんが盤上に立つところや飛んだところを撮ることができる。

 

|千歳飴はいつ生まれたのか?

 本来、旧暦の11月15日(霜月十五日)は、収穫を神に感謝する霜月祭が行われる日であったという(ちなみに、旧暦の15日は満月となる)。
 それがなぜ子どもの成長を祝う日になったかというと、5代将軍の綱吉が長男の徳松の無事成長を願う祝儀をこの日に行ったことに由来するともいう。

子どもの長寿を願う意味をもつ千歳飴にも古い歴史がある

 いっぽう、千歳飴の歴史も古い。
 その起源には2説あって、大坂夏の陣で浪人となった平野甚左衛門の子、甚九郎重政が浅草寺の境内で売り出したのがはじめとも、元禄・宝永年間(1688〜1711)に浅草の飴売り七兵衛が売り出した千年飴が発祥だともいう。
 前ページに載せた『東都歳時記』の挿絵にも「唐人飴」の看板が見える。唐人飴とは唐人の格好をして売られたぶつ切りの飴で、今の千歳飴の原形の一つだ。

 これがいつ頃七五三(髪置・袴着・帯解き)と結びついたのかわからないが、明治半ばに刊行された風俗案内の本には、七五三の日には神社の境内に「祝飴」の露店が出て繁盛していると書かれている。
 なお、小さくカットせず棒状のままの飴を長寿のシンボルとするのは、蕎麦やうどんを長生きの象徴とするのと同じ発想だ。

 

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渋谷 申博

しぶや のぶひろ

日本宗教史研究家

1960年東京都生まれ。早稲田大学卒業。
神道・仏教など日本の宗教史に関わる執筆活動をするかたわら、全国の社寺・聖地・聖地鉄道などのフィールドワークを続けている。
著書は『聖地鉄道めぐり』、『秘境神社めぐり』、『歴史さんぽ 東京の神社・お寺めぐり』、『一生に一度は参拝したい全国の神社』、『全国 天皇家ゆかりの神社・お寺めぐり』(G.B.)、『神社に秘められた日本書紀の謎』(宝島社)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』(日本文芸社)ほか多数。

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