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【ミシュラン完全制覇への道】元祖三ツ星レストラン「ラ・トゥール・ダルジャン」汗と涙の体験記

タイヤ屋のガイドブックに取りつかれた漢(おとこ)魂の二皿目


「世界のミシュラン三ツ星レストランをほぼほぼ食べ尽くした男の過剰なグルメ紀行」の著者である藤山純二郎は、慶應幼稚舎以来の「由緒正しい」おたくである。プロレス、映画、そば屋、寿司屋、洋食屋、ラーメン屋などに続く、次なる興味のターゲットは、なんとヨーロッパの『ミシュランガイド』三ツ星レストラン。そこで無謀にも、『ミシュランガイド』誕生の時からの三ツ星であった「ラ・トゥール・ダルジャン」(現在は一ツ星に陥落)に行くことを勝手に決めて、日本から予約を入れたのだった。さあ、初めての三ツ星レストラン体験はいかに?


■酒が飲めないのに思わずワインを注文!

「ラ・トゥール・ダルジャン」は、パリいや、世界を代表する最高級レストランだ。

 この「ラ・トゥール・ダルジャン」については、あとでくわしく書くが、ともあれ、藤山の記念すべき「三ツ星食べ歩き」は、この「ラ・トゥール・ダルジャン」からはじまった。
 いやぁ、入って見て驚いた。エントランスの通路は45度に曲がっていて、長い通路の先には、タキシード姿の背の高いレセプショニストが日本の学生、藤山を丁重に出迎えてくれた。

 いかにも、パリの社交場だ。店内の豪華さはもちろんだが、1階エレベーター横にこの店を訪れた世界の著名人たちの記念写真やサインが飾られてあった。
 元英国首相チャーチル、元アメリカ大統領アイゼンハワー、ベトナムの初代首相ホー・チ・ミンも来店していた。

 その中でも、一番いい場所に3枚、昭和天皇(裕仁)ご夫妻、当時の皇太子(今上天皇明仁)ご夫妻、英国のエリザベス女王とエディンバラ公ご夫妻の記念写真があった。日本のエンペラーの訪問を、前オーナーの名物男・故・クロード・テライユ氏が誇りに思っていたにちがいない。

 さらに、この店ですごいのは、世界一のワインリストだった。
 まるで、分厚い百科事典のようなワインリストが専用の台に置かれている。あまりに厚く、重いので、手で持って読むのは至難の業で、リストを読むための専用の台が用意されている。

 こんな店は世界で唯一だろう。年代物のロマネ・コンティからペトリュスなどの最高級ワインはもちろん、良質廉価の知る人ぞ知るワインまで年代別に満遍なくリストに載っていた。
 当時でも100万円以上のワインがたくさん記載されていたのもはっきりと覚えている。1万円以下のワインも充実していたのがまたすごい。まさに満遍ないワインリストだ。

 その後、この店を合計4回訪問した経験から、あらゆる三ツ星や二ツ星、その他最高級レストランのワインリストを拝見したが、ここ以上のワインリストは存在しないと、自信を持って断言できる。

 日本のレストランのワインリスト? 残念ながら、とても勝負にならないと思う。これは致し方ない。

 その時、うかつにも藤山は、
「この店では、ワインを飲まないと失礼にあたるのではないか」と思ってしまったのだ。きっと、それだけの歴史を感じさせるワインリストに圧倒されてしまったのかもしれない。

 そのため、席に案内され、メニューを見せられた時、この店の名物料理である「仔鴨のトゥール・ダルジャン風(キャヌトン・トゥール・ダルジャン)」とともに、「値段が手ごろのハーフボトル」の赤ワインをオーダーした。

トゥール・ダルジャンのメニュー(本物)。滅多にお目にかかれない逸品

 言っておくが、僕の肉体は、体質的に酒類を受けつけない。こればかりはしかたがない。だが、この店はそんな僕にも「飲まないのは、失礼だよ」と言わんばかりのゴージャスな雰囲気があった。

 おいしい仔鴨には、それにあった上等なワイン……さすがの藤山も、世界の三ツ星に完全に飲み込まれた

次のページそこで思わぬ事件が!

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藤山 純二郎

ふじやま じゅんじろう

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  • 藤山純二郎
  • 2017.09.27