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「時計」「十時」 時にまつわる珍名さん

珍名さん万歳(40)


 日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。

 6月10日は、国民の祝日ではないが「時の記念日」として知られている。国民に「時間をきちんと守り、欧米なみの生活の改善・合理化を図ろう」と1920年に東京天文台などの呼びかけで制定された記念日である。日本書紀によると、日本初の時計(水時計)が鐘を打った日が6月10日であるためこの日を記念日にしたと言われている。

 このように、日本でも昔から時間に対して強い思いがあったことが伺える。それは、名字にも表れている。「時(とき)」や「時計(とけい)」・「十時(ととき)」という名字がある。「時計」という名字の由来は、時間が正確だったことから殿様から賜ったとされる。「十時」という名字の由来は、大分県豊後大野市にある十時(ととき)という地名からで、その地を治めていた戦国武将の十時惟信がいる。同じ「十時」の名字を持つ人の中に「十時七五三分」という方がいた。まるで時間を表しているような名前である。

 また、昔は十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・羊・申・酉・戌・亥)で時刻や方向を表していたため、これらの文字を使った名字も存在する。虎(とら)という名字が存在するが、この名字は獣の虎が由来ではなく、干支の寅であると考えられる。艮(うしとら)という名字もあるが、これは「丑(うし)」と「寅(とら)」の中間を指している。時代劇などで使われる「丑三つ時(うしみつどき)」は、現在の午前2時30分あたりを指している。辰己(たつみ)や戌亥(いぬい)という名字も存在するが、こちらは時刻ではなく方角(辰己は南東、戌亥は北西)を表した名字である。

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高信 幸男

たかのぶ ゆきお

名字研究家



1956年、茨城県大子町生まれ。高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。


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