中東でイラン相手に軍事行動に出たら日本は?
【「現地妻国家」ニッポンの行く末(後編)】〈平貧〉の時代(16)
■「完全に一致」という決まり文句

平和主義のせいで、自分の身を守る意思も能力もないまま、アメリカに従属することで存立と安全を確保している戦後日本は、同国の「極東現地妻」とも呼ぶべき国。
しかも1980年代以後は、「対米協調路線」とか「日米同盟重視の姿勢」の名のもと、旦那たるアメリカに尽くすことこそ真に自立する道だという、ワケワカな錯覚にまで陥りました。
となれば、向こうのいいようにされるのは必然の帰結。
アメリカのNBCニュースは、5月末のトランプ訪日における安倍総理の姿勢を「相撲外交」(=自分から抱きつくことで、相手を打ち負かそうとする)と形容しましたが、旦那と現地妻が相撲を取ったところで、どちらが組み伏せられるかは明らかではないでしょうか?
現に農産物の関税撤廃や引き下げについて、総理が譲歩してしまった可能性が高いことは、前編で触れたとおり。
ならば安全保障についてはどうか。
まず北朝鮮問題から行きましょう。
5月27日に行われた首脳会談後の共同記者会見で、総理はこう発言しています。
外交問題について、総理が「日米の立場は完全に一致」と強調するのは、今に始まったことではありません。
いわば決まり文句にすぎないのですが・・・
■ミサイル発射を気にしない総理
問題は首脳会談をめぐって、次のような報道がなされている点です。

(カッコは引用者、以下同じ)
ついでに前日の26日、トランプはこんなツイートも。
(※)拙訳、以下同じ。ジョー・バイデンはオバマ政権の時の副大統領。来年の大統領選では、民主党の大統領候補最有力と目されます。
首脳会談後の記者会見でも、北朝鮮の短距離ミサイル発射を気にしないのかと聞かれて「いや、全然。個人的には気にならないね」と答えていました。
要約すれば以下の通り。
1)トランプは金正恩にたいして深い敬意を持っている。
2)トランプは最近の北朝鮮のミサイル発射を気にしていない。
3)北朝鮮について、日米の立場は完全に一致している。
すると論理的にいって、こういう話になります。
1)安倍総理も金正恩にたいして深い敬意を持っている。
2)安倍総理も最近の北朝鮮のミサイル発射を気にしていない。
けれども北の短距離ミサイル、アメリカにこそ届きませんが、日本は射程に入っているのです!
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