日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。

■元号が先か、名字が先なのか。そして新元号と同じ名字は…

 平成31年の新年を迎えた。今年5月1日からは新天皇の即位とともに元号が変わるため、平成最後のお正月である。

 ところで、日本で最初の元号は孝徳天皇の即位した大化(たいか:645年)で、今日の平成までおよそ247の元号がある。そのうち、歴史的事件などがあった元号は知られているが、ほとんど知られていないものが多い。和銅や保元・享保・寛政・元禄などはよく知られた元号である。

 名字にも、養老(ようろう)や天正(てんしょう)・慶長(けいちょう)・元禄(げんろく)・天明(てんめい)・明治(めいじ)・大正(たいしょう)・昭和(しょうわ)・平成(ひらなり)などの元号名を用いたものがある。

 昭和という元号は、中国の四書五経の一つである書経尭典の中の「百姓昭明、協和万邦」という言葉の、「百姓昭明」の「昭」と「協和万邦」の「和」を取って生まれた元号である。つまり、昭和という元号は名字を戸籍に届ける明治時代には無かったが、名字にあることに驚く。

 当時、どうして存在しなかった昭和という言葉を名字にしたのか謎である。ちなみに、「明治」という名字の由来は明治時代となったことから、「大正」は地名からと思われる。なお、奈良や平安など、厳密には元号とはなっていない言葉だが、名字には飛鳥(あすか)・奈良・平安・鎌倉・室町・安土・桃山・江戸と全てある。これからの元号は、昭和54年に制定された「元号法」という法律に基づいて決められる。今年5月からの新元号はいったい何になるのか。また、新しい元号と同じ名字は存在するのか気になるところである。