■今が転換期であることを自覚せよ

 21日に投開票された参議院選挙で、泡沫政党だと思われていた「NHKから国民を守る党」(以下N国党)が議席を獲得しました。戸惑っている方も多いに違いありません。なぜあんな政党が議席を獲得するのか? と。
 しかし、今の世界に起こっていることを理解している方にとっては不思議ではないはずです。 

 私がメディアの変化を軸にビジネスのルールが変わりつつあることを説いた『ビジネスで勝つ ネットゲリラ戦術詳説』(KKベストセラーズ、以下『ネットゲリラ』)を出してから、まだ1カ月も経っていません。それなのに、N国党の当選をはじめ、本に書いたことを裏付けるような事件が次々と起こっています。

 

 お笑いの吉本興業が芸人たちのスキャンダルを鎮静化し損ね問題になっています。7月9日にはジャニーズ事務所を作ったジャニー喜多川さんが亡くなりましたが、直後に公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意を与えました。元スマップメンバーのテレビ出演に圧力を加えた疑いがあるからです。無関係に思える2つの事件ですが、どちらも旧来型メディアの没落を象徴する出来事です。

 吉本もジャニーズも、所属タレント(芸人)たちとメディアに強い圧力をかけて支配してきました。しかしSMAPを巡る騒動を例に出すまでもなく、その支配力にはかげりが見えています。SMAPの元メンバーの3人は独立してしまいましたし、吉本興業も芸人たちをコントロールできていません。

 

 『ネットゲリラ』を読んでくださった方々はもうお分かりかと思いますが、これらはメディアの変化を踏まえると非常に自然な出来事です。吉本やジャニーズが強い力を持てたのは、いざとなったら「お前を干すぞ」という脅しが可能だったからですが、今はメディアが多様化してしまいましたから「干す」ことが難しくなっています。一つのルートを潰しても、他にルートが生まれるからです。

 そんな時代に旧態依然とした圧力を振りかざす吉本やジャニーズは、今が転換期であることを見落としているのでしょう。メディアの多様化は大組織の力を削ぎ、新しいメディアを使いこなす身軽な個人を強くしつつあります。私の言う「ビジネスゲリラ」たちです。