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硬と軟【新保信長】「食堂生まれ、外食育ち」43品目

【隔週連載】新保信長「食堂生まれ、外食育ち」43品目

  

 さらに言うなら、ポテサラはねっとり系よりゴロゴロ系が好きだし、豆腐は絹より木綿がいい。そのへんはもう好みの問題でしかないが、あまりやわらかくて口当たりのいいものばかり食べていると、咀嚼力が衰えるのではないか。それは食べ物だけでなく、本や映画などについても言えるだろう。

 歯応えのあるものをしっかり噛んで飲み込むことは、一種の筋トレである。年を取ればどうせやわらかいものしか食えなくなるんだから、せめて今のうちは歯応えのあるものを食っておきたい。そのほうが、結果的に元気で長生きできそうな気がする。医学的に根拠があるのかどうかは知らないが、「イワシの頭も信心から」というではないか。ちなみに、イワシの頭も歯応えあってカルシウムが摂れるので、なるべく食べるといいと思う。

 

文:新保信長

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新保信長

しんぼ のぶなが

流しの編集者&ライター

1964年大阪生まれ。東京大学文学部心理学科卒。流しの編集者&ライター。単行本やムックの編集・執筆を手がける。「南信長」名義でマンガ解説も。著書に『国歌斉唱♪――「君が代」と世界の国歌はどう違う?』『虎バカ本の世界』『字が汚い!』『声が通らない!』ほか。南信長名義では『現代マンガの冒険者たち』『マンガの食卓』『1979年の奇跡』など。新刊『漫画家の自画像』(左右社)が絶賛発売中です!

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