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上原浩治に聞く Q.18 どうやれば不安に打ち克てますか?

不安は考え方ひとつで、ポジティブな原動力にもなる。上原投手、至高の哲学

つねに不安を覚え、またそれに向き合わなければ勝てない世界で生きている。その現実に自覚的な上原投手だからこそ生まれてくるのが、少人数の自主トレだったり、喜怒哀楽を表現してメンタルを切り替える方法であったり、または自ら情報を発信していくことであったりする。不安は考え方ひとつで原動力にもなりうることを上原投手の姿が教えてくれているはずだ。
でも……そんな不安とどうやって向き合い、打ち克つことができるのであろうか。

野球しかやってこなかったという不安

メジャーの一線で活躍する上原投手でも不安はつねにある、と言う

――不安だとおっしゃる上原さん、その不安に打ち克つ方法ってありますか?

うーん、それは僕も知りたいですね(笑)。

――これまでのお話のなかでも何回か「不安」という言葉が出てきました。上原さんも言いようのない不安のようなものに襲われることがあるのですか?

それはつねに不安ですよ。

まずいつクビをきられるか分からない世界に生きていますからね。それでもしクビをきられてしまって野球ができなくなったら……と考えると、正直、ここ十数年間野球しかしていないわけですから、なにも残るものがない。その不安はすごくあります。

――そんなことはないと思うのですが……お話も上手ですし。

いやいや、全然です。最近は講演会のお話なんかもありがたいことにいただくんですけど、これがもう、僕は大の苦手なんです。

こういうインタビューや、トークショーのような形で質問してくれる人がいればまだなんとかなるんですけど、自分で50分喋ってください、と言われたら……それは全然だめですね。

いまは野球ができているから、そういうことに対してごめんなさい、と言えますけど次の道、ってなったときにね。そういうわけにもいかないでしょうから。やっぱり、いつクビになるかわからないというのは、そうした次のことを考えても不安なものです。

次のページオフはいつも、どんなときも不安を感じる

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



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