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JR日光線「いろは」のミニトリップ

新車両運行開始で観光客を取り戻せるか。

■旅行者向きの車両がなかったJR日光線

JR日光駅に到着した「いろは」

 6月の終わり頃、JR日光線の観光用車両「いろは」に乗ることができた。今や、首都圏から鉄道を利用して日光へ向かう人のほとんどは東武の特急を使う。JRのターミナル駅である新宿や池袋からも、途中の栗橋駅から東武鉄道に乗り入れて東武日光駅をめざす特急列車が運転されているのが実情だ。JR日光線は、もはや定期的に特急が走る路線ではなく、完全に地域の人の足となっている。

 ところが、訪日外国人は、日本で鉄道旅行をする場合、ジャパンレールパスというおトクなきっぷを利用する人が多い。ただし、このパスはJR全線に有効なのであって、私鉄である東武には使えない。それで、外国人旅行者が日光へ行く場合は、東北新幹線で宇都宮に出て、JR日光線に乗り換えることになる。JR日光線に乗ると、地元の人以外で目につくのは、大きなスーツケースを持った外国人旅行客である。

 ところが、現在、JR日光線を走っている車両は、首都圏から都落ちしてきた205系という通勤型電車であって、旅行者向きの車両ではない。オールロングシートなので、車窓は楽しめないし、荷物を置く場所にも苦労するし、地元の利用客の邪魔にもなる。せっかく国際的観光地日光へ向かうのに、この車両は適していないのではないか。日本の鉄道のイメージダウンになってしまうのではないか。そう危惧していた。

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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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