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JR日光線「いろは」のミニトリップ

新車両運行開始で観光客を取り戻せるか。

■観光用車両「いろは」が登場

 こうした観光客の不評がJR当局に届いたのかどうかは知る由もないけれど、2018年3月に日光線向けの観光用車両「いろは」が登場したのは、嬉しいニュースだった。元の車両は205系電車ではあるけれど、改造して観光客に便利な車内となった。まず、通勤型の1車両片側4ドアを2ドアにして座席数を増やした。

中間のドアはなくして座席に。各種アイコンが目立つ

 オールロングシートだったのを、ドア付近のロングシートをのぞいて4人あるいは2人向かい合わせのクロスシートに改めた。それも、茶色をベースにしたシックなもので、ゆったりした感じがする。

茶系でまとめたシックなクロスシート

 さらに、大きなスーツケースを置くスペースを設け、他の乗客の邪魔にならないようにした。また、日光の観光ポスターを英文のものを多めにして、外国人への情報発信に努めている。工夫すれば観光客をもてなす車両に変身できるのだ。

車内の荷物置き場

 とりあえず、1編成4両のみのスタートなので、ふらりとJR日光線に乗りに行けば必ず「いろは」に当たるわけではない。ただし、時刻表には「いろは車両で運転」と注釈が付いているから、それを頼りに出かければ「いろは」に会える。そして、特別料金は不要で、乗車券だけで乗れるのだ。

「大人の休日倶楽部パス」の利用期間だったので、東北新幹線に乗り、宇都宮駅で下車して日光線ホームへ向かった。しばらくすると、日光発の電車が到着した。予定通り「いろは」だったのでホッとした。

 降車客と入れ替わりに車内へ入る。空いていたので、2人掛けのクロスシートを確保した。しかし、どんどん混んできて、発車間際には、ロングシートにさえ座れない人が出る始末だ。早めに乗車して大正解だった。私の向かいに座ったのはスーツ姿の男性。日光方面へ仕事で向かうみたいだ。東海道本線や横須賀線のクロスシートのように窮屈ではないのはありがたい。ゆったりした座席は好感が持てる。

 車内を見まわすと外国人に混じって高校生の集団もいる。平日の昼下がりなので、本来は学校で勉強中のはずだが、時期的に考えると、期末試験の帰りなのではないだろうか? 普通の観光列車とは異なる雰囲気で、ちょっとユニークだ。

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野田 隆

のだ たかし

日本旅行作家協会 理事

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。著書に『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている~鉄道旅行再発見』(平凡社新書)『定年からの鉄道旅行のススメ』 (洋泉社新書) 『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)『愛知県 駅と路線の謎』(洋泉社新書y)など。



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