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全国で3ヶ所。「自転車一方通行」標識で事故を防げ!

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第8回:自転車一方通行

ドライバーを除いては、ほとんどの人が意識をすることがないであろう「道路標識」。だが日本全国には、知られざる奇妙珍妙な道路標識があった! マニアでなくともニヤニヤせずにはいられない、奥深い世界をご堪能あれ。

※当初、文中に「自転車レーン」とありましたが、「自転車専用道」(以下自転車道)」と修正いたします。「自転車レーン」(自転車専用通行帯)は、車道の左端に、歩道に隣接して作られた自転車専用の車線を指し、一方通行です。「自転車道」は、工作物によって区画された、歩道からも車道からも独立した自転車専用の道路で、基本的に相互通行です。

 さて珍しい道路標識を追いかける本連載、今回は「自転車一方通行」を取り上げてみよう。何しろこの標識、筆者の知る限りで今のところ全国3ヶ所にしか設置されていない。自転車関連標識にはレア物が多いと以前書いたが、中でもこれは伝説クラスの一品といってよいだろう。

 標識のデザインは下のような2種類で、横型と縦型がある。 普通の一方通行標識の矢印が短くなって、後ろに自転車が描き込まれたデザインで、初めて見ても意味がわかりやすい。

写真を拡大 「自転車一方通行」標識横型(左)と縦型(右)

 ちなみに、通常の一方通行標識が立てられている車道では、自転車はどうすべきか? 自転車も車両の一種なので、標識に従って一方通行するというのが正解だ。ただし、「軽車両を除く」という補助標識がついている場合は、この限りではない。

 じゃあ別に自転車専用の一方通行標識なんぞなくてもいいじゃないか、と思うところだ。実はこの「自転車一方通行」は、自転車道に設置することを主眼においた標識なのだ。

邪魔者扱いされる自転車

 よく言われることだが、道路交通における自転車の居場所はなかなか難しい。車道を走らねばならない場所、歩道を行ってもよい場所などが混在しており、しかもどちらを走っても邪魔者扱いされたりする。自転車専用レーンを作って、歩行者・自転車・自動車をきっちり分けるのが理想だが、そんなスペースがあるなら最初から苦労はないわけである。

 そこで導入されたのが、「自転車の一方通行路」というシステムである。歩道の幅が狭く、自転車がすれ違える幅のレーンが作れない時、車道の両側に一方通行の自転車道を作ることで対応しようというものだ。これなら歩道から自転車1台分の幅を切るだけで済むので、だいぶスペースの節約になる。

写真を拡大 一方通行の自転車道

 これに合わせて2011年に新設された「自転車一方通行」標識だが、今のところ神奈川県の川崎市と相模原市、静岡県静岡市に設置されているのみのようだ。というわけで筆者は、一路神奈川へと調査に向かったのであった。

 
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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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