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まるでスキー場……全国で一番きつい「急勾配あり」標識は恐怖の連続だった

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第5回:急坂に咲く標識

ドライバーを除いては、ほとんどの人が意識をすることがないであろう「道路標識」。だが日本全国には、知られざる奇妙珍妙な道路標識があった! マニアでなくともニヤニヤせずにはいられない、奥深い世界をご堪能あれ。

 各地のレア道路標識を訪ね歩く本連載、今回のターゲットは「急勾配あり」である。なんだ、そんなものどこにでもあるだろと言われそうだ。その通りで、ちょっとした山道にはたいてい設置されているし、都市部でも陸橋の入り口などでちょいちょい見かける。確かにこの標識自体は、レアでもなんでもない。ただ、この標識には「○%」と、勾配を表す数字が入っている。この数字に着目し、ちょっと変なものを探してみようというわけである。 

     「上り急勾配あり」標識
     「下り急勾配あり」標識

 さて、この標識のパーセント表示はどういう意味なのだろうか。これは、道を100メートル進んだ時に、何メートル標高が高く(または低く)なったかを表す数字である。もし100メートル先で10メートル標高が高くなっていたら、その坂の勾配は10%ということになる。これは、相当の急坂の部類だ。

 どれくらいの勾配から標識を設置すべしという、明確な基準は特には決められていないようだ。ただ観察している限り、一般道では5%、高速道路なら3%以上の勾配がある場合に設置されることがほとんどだ。

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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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