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山本昌の眼にうつる「二刀流・大谷翔平」。ポイントは○○のあと

二刀流として、今シーズン確かな数字を残した大谷翔平を、入団時「そんなに甘くない」と言っていた山本昌はどう見たか。

Q.日本ハム大谷翔平選手の「二刀流」は賛成ですか?

 今年の大谷選手は投手として10勝、打者としても22本塁打と、メジャーリーグでも達成したことがない記録を作るなど、規格外の活躍で私たちを驚かせてくれました。7月3日のソフトバンク戦では「1番・投手」で出場し先頭打者ホームラン、投手としても8回無失点で勝利投手になったり、シーズン通して話題の中心にいた選手であることは間違いないでしょう。「二刀流」としての総合値で判断すれば、日本のプロ野球史でも一番だと思います。「過去最大の怪物」と言えるでしょうね。

 私が驚かされるのは、結果はもちろんですが高校時代に評価されていた素材を、プロでも余すところなく伸ばしていることです。

 投手としては高校生ながら160キロを投げ、打者としても通算56本塁打。これだけの選手であれば「プロでも大成すること間違いなし」と思われるでしょうが、一概にそうとも言い切れません。過去に優れた素質を持ちながらもプロでは結果を残せなかった選手は少なくありません。でも、大谷選手は自分の才能に過信せず「どんな練習をすれば力を伸ばせるか?」と、トレーニングに励んできた。努力の仕方が間違っていなかったからこそ、今日の大谷選手が存在しているわけです。

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山本 昌

やまもと まさ

1965年8月11日、東京都生まれ。神奈川・日大藤沢高から83年秋のドラフト5位で中日ドラゴンズに入団。プロ5年目、88年の米国への野球留学をきっかけに飛躍し、同年8月プロ初勝利。以後はスクリューボールを武器に活躍する。93年に最多勝利、最優秀防御率のタイトルを獲得すると、翌94年には連続最多勝利と沢村賞に輝く。97年にも最多勝利。2006年9月16日対阪神戦でプロ野球史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年8月4日の巨人戦で史上24人目となる通算200勝を樹立。通算581試合に登板し219勝165敗。


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