「眠気の解消」「集中力の持続」「課題の処理速度」を求める人たちの罠【大竹稽】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「眠気の解消」「集中力の持続」「課題の処理速度」を求める人たちの罠【大竹稽】

大竹稽「脱力の哲学」1

 

■「アタマより身体感覚が頼りになる」とはどういうこと?

 

 集中は、わたしたちの「身体性」から捉え直さなくてはなりません。アタマだけで妄想して機械を理想としてはダメ。集中は、たんなる「置かれた状態」じゃない。常に「身体を伴う状態」なのです。

 アタマより身体の感覚が頼りになります。スピードや量など、点数勝負の集中は、機械に任せられるようになります。これからは、もっと感覚に素直になりましょう。わたしたちにできる最善の一手は、そんな環境を探りだし、そんな環境に主体的に身を置くことです。

 「どんな環境が良いか」ですって?

 そんなの、わたしにはわかりません。あなたの身体に聞いてみましょう。雑音だって人それぞれ。気に入る色だって人それぞれ。文房具だって、馴染めるのは人それぞれ。仕事に向かう服装だって、ゆったり好きもいれば、ピチピチ好きもいます。世界は、そもそも、身体と共存しているのです。

 最悪の環境は、わたしたちの感覚を支配しようとするものです。そんな環境は断固拒否。それを強いてくる会社なら、逃げてしまえばいいでしょう。そこは、自動操縦や洗脳を是とするところです。

 誰にでもきっと、自然とリラックスして集中できる環境があるはずです。崖っぷちに立たされて薬に手を出す前に、環境を見直してみましょう。そして、快適な環境を探り出しましょう。答えは身体が持っています。そこに身を置けば、自然に集中のスイッチが入るのです。

 まずは身体の声に耳を傾けてみましょう。

 

文:大竹稽

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大竹稽

おおたけ けい

教育者、哲学者

株式会社禅鯤館 代表取締役
産経子供ニュース編集顧問

 

1970年愛知県生まれ。1989年名古屋大学医学部入学・退学。1990年慶應義塾大学医学部入学・退学。1991年には東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。2007年学習院大学フランス語圏文化学科入学・首席卒業。その後、私塾を始める。現場で授かった問題を練磨するために、再び東大に入学し、2011年東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程入学・修士課程修了(学術修士)。その後、博士後期課程入学・中退。博士課程退学後はフランス思想を研究しながら、禅の実践を始め、共生問題と死の問題に挑んでいる。

 

専門はサルトル、ガブリエル・マルセルら実存の思想家、モンテーニュやパスカルらのモラリスト。2015年に東京港区三田の龍源寺で「てらてつ(お寺で哲学する)」を開始。現在は、てらてつ活動を全国に展開している。小学生からお年寄りまで老若男女が一堂に会して、肩書き不問の対話ができる場として好評を博している。著書に『哲学者に学ぶ、問題解決のための視点のカタログ』(共著:中央経済社)、『60分でわかるカミュのペスト』(あさ出版)、『自分で考える力を育てる10歳からのこども哲学 ツッコミ!日本むかし話(自由国民社)など。編訳書に『超訳モンテーニュ 中庸の教え』『賢者の智慧の書』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)など。僧侶と共同で作った本として『つながる仏教』(ポプラ社)、『めんどうな心が楽になる』(牧野出版)など。哲学の活動は、三田や鎌倉での哲学教室(てらてつ)、教育者としての活動は学習塾(思考塾)や、三田や鎌倉での作文教室(作文堂)。

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