「人間五十年」とうたわれたのも遥か昔。令和のいまは、50歳からが折り返しの「人生100年時代」である。
 いまだ現役で元気に活躍している“人生の先達”は、どのような心持ちでいるのだろうか、訊いた。
 電線音頭、ニン!、おしんの父ちゃんに、伊東家の食卓、伊東四朗一座…。
 伊東四朗さんの芸能人生はもう60年も続いている。
 多岐にわたり、いまだ一線で活躍する伊東さんは、「人生100年時代」の今をどう過ごしているのか。(『一個人 2020年2月号』より抜粋)

昔は還暦が現役と隠居の
節目だったけど、今は違うね

――現在、82歳である伊東四朗さんは100歳についてどのようなイメージを抱いているのだろうか。

 うーん、100歳か︙フフフ。私はそこまでいかないと思っていますからね。自分が100歳になることを想像したこともないですね。82歳ということ自体が未知ですから。ここまで生きてきたのが想定外ですよ。
 しかし、世の中も変わったよね。昔は『船頭さん』って童謡で〝村の渡しの船頭さんは今年六十のおじいさん〟なんて歌詞がありましたからね。これって今の60歳の人が聞いたら怒っちゃうよね。昔は還暦というのが現役と隠居の節目だったんだろうね。

 

――伊東さんが還暦を迎えたのが20年以上前。隠居生活を送ることなく、今もテレビドラマやバラエティ番組の現場で第一線に立ち続けている。還暦をはるかに超えてなお、精力的に仕事を続けられる秘訣とは何だろうか。

 続ける秘訣ですか? そんなものがあればみんな知りたいですよ。この世界には公式なんてない。何をすればうまくいくのかなんて、まるでわからない。結局、人との出会いだと思うんですよ。私の場合、絶妙のタイミングで大事な人と会っているんですよ。ひょっとしてシナリオでもできているんじゃないかって思ったことはありますね。何か不思議なものを感じます。

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