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伊賀から伊勢へ⑤松坂城(壱)

季節と時節でつづる戦国おりおり第387回

 伊賀上野城から車で東へ。国道・県道を1時間あまり走ると、松阪の市街地に入ります。

 こちら、松坂城跡の北隣りには市営の駐車場があり、しかも無料という、非常にすばらしい観光インフラがあるため、心置きなく周辺を徘徊できます。

 

 二の丸の北端にある表門跡。攻め込んで来た敵は正面の高石垣にぶつかり、渋滞するところに矢弾を浴びる仕組みです。左に進めば二の丸、右に進めば本丸下段に出ますが、それぞれを月見櫓と遠見櫓から攻撃できる、巧みな仕掛けがほどこされています。

 

 これはここだけではなく、本丸を守る要所要所=太鼓櫓、鐘ノ櫓、藤見櫓、角櫓、金の間櫓、敵見櫓と配された櫓群が敵を防ぎます。

 城自体は本丸の周囲を西のきたい丸、身真美の隠居丸、東の二の丸、そして本丸下段が渦状に守り、それに攻めかかる敵をさらに南側から三の丸(現在の松阪神社がある一帯)の兵が攻撃するという多段構造。さすが、織田信長の薫陶を受けた築城主、蒲生氏郷の築城術は実に秀逸というほかありません。

 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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