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伊賀から伊勢へ①伊賀上野城(壱)

季節と時節でつづる戦国おりおり第383回

 もう初夏に入っていますが、今年は去年よりもかなり過ごしやすいですね。そうはいっても、晴天下のお城めぐりはかなり日光にさらされて体力を消耗しますから、日よけの帽子や水分補給など、身を守る準備をしっかりしてから怪しく徘徊しましょう(笑)。

 というわけで、今回は伊賀から伊勢へと向かう旅です。まず最初の目的地は、伊賀上野城。車で国道163号線を進み、近鉄伊賀線の西大手駅・上野市駅の中間ぐらいを北に入れば、そこはもうお城。大手口に上下2ヶ所の駐車場がありますから、便利ですよ。

 本丸の天守閣。迫力のドピーカンです。

 伊賀上野城は藤堂高虎が整備した大阪への入り口を固める城で、慶長16年(1611)からの改修工事によって拡張強化されたものです。

 本来の天守閣はその翌年、竣工前に大風で倒壊したまま再建されませんでしたが、昭和になってから地元出身の政治家によって模擬天守が建てられ、今に至ります。

 それまでの伊賀上野城の大手口は北に開けられていましたが、高虎はそれを南に移したうえで、西側に盛り土をおこない、高さを確保して高石垣を積み上げました。

 模擬天守から西側を見ると、周囲との高低差がよく分かりますね。これを内堀の外側から見ると、こんな漢字です。とても攻め上れそうもありません。

 また、本丸側から見下ろすとこんな感じです。これは足がすくんでしまいます。西側正面の山塊を越えて進んでくる大坂城の豊臣軍を想定し、その行方をさえぎる形で西の守りを固めた鉄壁の伊賀上野城、というわけです。 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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