撮影難易度は最高レベル。幻の「緑のどんぐり」標識 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

撮影難易度は最高レベル。幻の「緑のどんぐり」標識

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第12回:高速道路の路線番号標識登場

 ■今までにない「どんぐり型」

 さてそうなると、国道標識や県道標識に相当する、単独の「高速道路番号標識」はないのだろうか。ネット上には四国や中部縦貫道あたりで設置されていたという話がちらほら出てきていたが、このほど茨城県にも登場した。やはりつくばジャンクション付近の常磐道で発見した、こちらである。

写真を拡大 常磐道(E6)の路線番号標識

 新標識は、縦長の六角形という今までの標識にないデザインであった。道路ファンは国道標識を「おにぎり」、県道標識を「ヘキサ」と通称するが、これは何と呼ぶべきだろう。とりあえずここでは「どんぐり」とでも呼ぶことにしよう。

 しかしこうした高速道路の標識は、撮影が難しいのが泣き所である。当然一人では無理だから同乗者に撮ってもらうしかないが、時速100kmで走る車内から、ブレないよう正確にカメラに収めるのは至難の業である。今回の標識は、ちょうど近くのショッピングモールから撮れる位置にあったのでラッキーであった。

 今のところ、このどんぐり型標識はまだ数少ない。また、国土交通省による「道路標識一覧」には掲載されていないので、正式なものではないのかもしれない。とはいえまだまだ低い高速道路ナンバリングの知名度を上げていくため、この標識の背負う役割は大きいことだろう。

 なかなか見かけることはなく、見つけても一瞬で通り過ぎてしまう、幻のような緑のどんぐり。読者のみなさんも、ぜひ探してみていただきたいと思う次第である。

KEYWORDS:

オススメ記事

佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


この著者の記事一覧