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撮影難易度は最高レベル。幻の「緑のどんぐり」標識

【毎月20日更新】世にも奇妙な道路標識 第12回:高速道路の路線番号標識登場

ドライバーを除いては、ほとんどの人が意識をすることがないであろう「道路標識」。だが日本全国には、知られざる奇妙珍妙な道路標識があった! マニアでなくともニヤニヤせずにはいられない、奥深い世界をご堪能あれ。

 さて以前の本連載で、増え続ける外国人滞在者のために、英語の入った標識が導入されたという話を書いた。これだけ訪日者が増えているのだから、標識もそれに対応していくのは当然だろう。

写真を拡大 「STOP」の表記入りの「一時停止」標識

 こうしたグローバル化の流れに、一番対応が遅れているのはおそらく高速道路である。一般国道にはいずれも路線番号が振られているので、日本語がわからなくとも数字さえ追っていけば、一応目的地にたどり着ける。しかし高速道路には番号がなく、「東名高速道路」「中央自動車道」など漢字の名称のみであるから、外国人旅行者には非常にわかりにくい。もちろん日本人にとっても、「東名」「東北道」「東関道」などの紛らわしい名前を、時速100kmで走りながら見分けるのは、決して楽な芸当ではない。

 ちなみに、日本の道路の番号と名称の使い方は全くバラバラである。国道は「国道1号」のように路線番号のみだが、都道府県道の多くは「神奈川県道21号横浜鎌倉線」のように、番号及び起点と終点を並べた路線名が併用されている。一方で都市高速は、「首都高速3号渋谷線」と、番号及び行き先を示す路線名という形式だ。どうしてこうなった、と思うほどの不統一っぷりなのである。

 というわけで、高速道路にも番号をつけるべきという議論は以前からあった。ただし、利用者にわかりやすい、規則性のある付番システムというのはなかなか難しい。筆者もちょっと考えてみたことがあるが、「これは」という番号の付け方は思いつけなかった。

 
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佐藤 健太郎

さとう けんたろう

1970年兵庫県生まれ。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。大手医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとして独立。文系の読者にもわかりやすい解説で定評があり、東京大学大学院理学系研究科の広報担当特任助教として東大の研究実績を対外発信する業務も担当した。『医薬品クライシス』(新潮新書)で2010年科学ジャーナリスト賞、2011年化学コミュニケーション賞を受賞。著書はほかに、『「ゼロリスク社会」の罠』『化学で「透明人間」になれますか?』(ともに光文社新書)、『炭素文明論』(新潮新書)、『ふしぎな国道』『世界史を変えた薬』(ともに講談社現代新書)などがある。


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