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定年後の生活は大丈夫? 50代のうちにやっておきたい「支出」の見直し

定年後の家計の守り方②

 では、具体的にどのような固定費を見直せば良いのか。
 まず保険に加入している人は、支払い方法を確認してみてください。月払いにしている方も多いですが、これを年払いにすると保険料が割引になります。一度にまとまったお金を払う必要がありますが、年間で見たときにいくらか支出を削れます。
 また、意外に多いのが、新聞を2紙以上とっていたり、複数の雑誌を定期購読しているというご家庭。仕事柄そうしていたという人なら、定年を機にとる新聞・雑誌の数を減らしてみると良いと思います。ほかにも、携帯電話の基本料金や住宅費など、まだまだ見直せる部分はあります。

◆食費やおこづかいは極端に削らなくていい

 先述のように、家計をミニマムにしようとすると、食費を節約しようという人は多いでしょう。しかし、私は食費を大きく削ることはおすすめしません。むしろ、食べ物はできる限りいいものを食べたいですね。
 なにも贅沢をしよう、と言いたいのではありません。5年後、10年後の自分がなるべく健康でいられるよう、きちんと栄養がとれる食事、加工品の少ない食事を心がけてほしいのです。食費を節約し偏った食生活になったせいで、数年後に病気をしてしまったら、その分医療費がかかってしまい元も子もありませんよね。

 また、家庭のある男性の場合は定年に向けて、おこづかいを減らされるケースがよくあります。でもそれ、嫌ですよね(笑)。一生懸命働いて得たお金を、自分のために使えないということですから。
 ただ、使い道については検討した方が良いでしょう。50代半ばぐらいまでは、会社での付き合いはある程度必要かもしれませんが、定年を迎える頃には、仕事を通しての付き合いから得られるメリットが少なくなってきます。できることでしたら、会社付き合いの食事や接待の回数は徐々に減らしていって、自分の趣味や勉強などにお金を使うようになっていくと良いのではないでしょうか。

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井戸 美枝

いど みえ

CFP®、社会保険労務士。神戸市生まれ。講演や執筆、テレビ、ラジオ出演などを通じ、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。社会保障審議会企業年金部会委員。確定拠出年金運用に関する専門委員会委員。経済エッセイストとして活動し、人生の神髄はシンプルライフにあると信じる。

近著に『ズボラの人のための確定拠出年金入門』(プレジデント社)『定年男子定年女子』(日経BP社)『身近な人が元気なうちに話しておきたいお金のこと介護のこと』(東洋経済新報社)などがある。


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