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「ノリタケの森」「ノリタケチャイナ」…一度聞いたら忘れられない陶磁器で有名な街

名古屋地名の由来を歩く【面白地名①】

ノンフィクション作家、谷川彰英が名古屋をたどる。寺院の数が日本一多い愛知県。『名古屋地名の由来を歩く』(著・谷川彰英)より、名古屋の街並みの魅力を紹介する。

名古屋駅近くの広大な公園

 名古屋駅の新幹線側の街一帯は「則武 (のりたけ) 」 (名古屋市中村区)という町名になっている。さらに北に足を運ぶと「則武新町」(名古屋市西区)という町名がある。その「則武新町」には「ノリタケの森」という公園がある。ここは明治37年(1904)一枚のディナー皿が つくられた記念すべき場所である。この一枚の皿から「ノリタケ」の歴史が始まった。

 さして焼き物に興味があるとはいえない私でも、ノリタケチャイナがディナーセットで有名なことくらいは知っている。普段の生活にはほとんど関係のない代物だが、その作品の上品な美しさは誰でも知っていよう。「チャイナ」とは英語で陶磁器のことで、それとは別に「ジャパン」とは漆器のことを指している。 

ノリタケチャイナを生産した工場

「ノリタケの森」に足を踏み入れてびっくり! 、  大都会の中心駅のこんな近くに、これほど までの広大な敷地を有していることにまず驚く。入り口を入ると、見事なレンガ造りの建物が立ち並び、ギャラリーやレストランなどになっている。これらの建物は創業当時の工場であったという。

 ギャラリーには、何百万もするようなノリタケチャイナがずらりと並んでいる。これは何としても見てみたい。これほどまで高価な作品がずらりと並んでいるのは圧巻だ。ちょうど、東日本大地震のあとだったので、余計なこととは思いながら「地震対策は大丈夫ですか?」 と聞いてみた。 「ええ、まあ……」という反応だった。

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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  • 谷川 彰英
  • 2011.10.08