アメリカは外出規制で大麻ビジネスに絶好のチャンス!? 【世界の大麻解禁を問うPart.1】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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アメリカは外出規制で大麻ビジネスに絶好のチャンス!? 【世界の大麻解禁を問うPart.1】


 アメリカでは嗜好用大麻が解禁された州で、あっという間にバドワイザーの売り上げを抜いたという衝撃のニュースが昨年にあった。グリーンラッシュといわれる世界的な大麻解禁の流れの中で、現在カナダで経営コンサルタントとして活躍している工藤悠平氏がはじめての著書『マリフアナ青春治療』を上梓。
 公認会計士論文式試験の直前に頸椎ヘルニアを発症。激痛に耐えながらも、日本の病院で処方される薬が効かず、激痛に悩む毎日。そこで医療大麻での治療をネットで見つける。藁をもすがる気持ちで、海外へと大麻治療の旅に出た著者の異色青春ノンフィクション。いま著書が話題の工藤氏がアメリカの大麻事情最前線を語る。


■産業としての「大麻」

 昨今、グリーンラッシュと呼ばれ世界中を席巻するカナビスインダストリー(Cannabis Industry:大麻産業) に新たな兆しがあるのかもしれない。まず前提として、現在のアメリカにおいての大麻の法律は、大麻の完全解禁までの発展途上のためなのかとてつもなくややこしい状態の中にある。そのややこしさは一言で言ってしまうと、アメリカの多くの州では嗜好用大麻を含めた大麻が合法化されているにも関わらず、アメリカ全土を管轄する『連邦法』では「一部を除いて」は未だに 違法状態となっている、といったところだ。この点に関しては法律が複雑化してしまう点は世界共通ということで、本記事では詳細は省かせていただく。
 現在多くの州で大麻が解禁されているアメリカにおいても、カナビスインダストリーへの事業進出は、当該事業において金融機関を利用することへの一部制約がある、ということが大きな障壁となっている。これは例えばユーザー目線で考えた場合の一例として、アメリカでの大麻販売店であるディスペンサリーで大麻などの商品を購入する際は、クレジットカードを利用することができない、という点が挙げられる。
 この点については現地の多くの店内にはそれに対する対応策としてATMが設置してあるため心配は無用だ。規制するのかしないのか、日本でいうところのパチンコの三点方式を連想させる対策となっているところが絶妙な状態であることの証ではないだろうか。アメリカにおいての金融機関も間接的にはカナビスインダストリーを支援しているといえるだろう。ところがこの制約は、私達消費者にとっては現金を準備する煩わしさが増すことになるだけなのに対し、実際の経営を考えたときの大麻販売店ではさらに問題が増えることとなる。

■大麻で稼いだ現金を屋根裏に隠す!

 皆様はNetflixにて日本語吹き替え版まで登場している『ハイ・ライフ(原題:Disjoint)』というドラマをご存知だろうか? このドラマは、あの『タイタニック』にも 出演した女優である、キャシーベイツらで構成される豪華出演陣によってアメリカの大麻販売店の日常が描かれたドラマだ。以下ネタバレとなってしまうかもしれないのだが、このドラマ内で はドラマ内の大麻販売店において以下の描写がある。
 まず前提として当時(筆者が原稿を書いている今日時点ではこれから述べることが生じかねない法律制度はまだ存在している)アメリカにおいては、大麻販売の事業活動から生じる収益は現地の銀行に預けることが出来なかった。さらにはアメリカ特有の州法と連邦法の矛盾から、大麻販売店を置く州法には完全に準拠した経営方針を取っていても、連邦法では大麻そのものが違法ということで、様々な『わけのわからない事態』が生じることとなる。
 これらの法律的矛盾や制約から、ドラマ内に登場する大麻販売店の利益から生じた現金を屋根裏に隠す、という描写がなされている。当然それでは経営的にも常識的(日本、アメリカ共通の認識のもとでの常識的)にも、余りにもリスク管理ができていない。その指摘をMBAホルダーであるトラビスが、大麻販売店トップである主人公のルースにすることとなる。そして以上の現金だけが増え続けるという事象に対するリスクヘッジとして、当該事象によって貯め込んでしまった現金でルースの『墓石』を購入しようと検討していた。ところがそのキャッシュアウト直前、連邦政府が駆け付けてしまい、せっかく苦労して貯め込んだたくさんの収益は、日本の税務署さながらの『モッて行き方』をされてしまうというトラジェディだ。
 以上はドラマ内でのメタファーだが、同じような環境に置かれたとしたら皆様は大麻事業に乗り出そうと思えるだろうか? 少なくとも筆者には無理だ。筆者的には、それなら国家のバックアップという点では少し不利になっても障壁の少ないカナダで起業しよう、と思ってしまうだろう。

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工藤 悠平

くどう ゆうへい

実業家/投資家

1986年生まれ。青森県むつ市出身。実業家。投資家。早稲田大学大学院会計研究科(英文学位: MBA)修了後、事業再生コンサルタントを経てカナダへ移住。カナダ政府、難民保護課勤務『マリフアナ青春治療』が初著書。

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マリフアナ青春治療
マリフアナ青春治療
  • 悠平, 工藤
  • 2020.03.27