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狩猟の相棒、猟犬ついて

【第24回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件

■猟犬とは? その歴史と特徴

 皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! 前回はワークマンのオススメ商品についてお話をさせて頂きましたね。今回は狩猟の相棒、猟犬などについて綴らせて頂きます。私の拙い文章を通して少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っているすべての方のお役に立てれば幸いです。

  

 さて、まずは『猟犬』について簡単にご説明させて頂きますね。狩猟に使われる犬のことを総称して「猟犬」と言います。獲物を探したり、追いかけたりと、役割は非常に多岐に渡ります。狩猟を行ううえで人間に足りない「聴力」「嗅覚」「視力」「走力」などを補ってくれるのが猟犬ですので、ただ犬を猟場に連れてくるだけでは、猟犬とは呼べません。役割によって得意な犬種があり、さらに狩猟の為の訓練を行い、やっと猟犬となります。

 日本にも古くからの猟の言葉に「一犬、二足、三鉄砲」という言葉があり、良い狩猟をするにはまず良い猟犬が大切で、その次にたくさん歩き回って獲物と出会うチャンスを増やすこと、鉄砲の腕はその次でよいという教えがあるんですよ(‘ω’) それほど良い猟犬を持つことは大切なことなんですね。

 犬と人間の歴史は非常に古く、約1万5千年前にはすでに家畜として人間と共に暮らしていたと言われています。当時の人間社会は狩猟採集社会。牧畜や農耕が行われるずっと前、旧石器時代から犬は人間のパートナーとして存在していました。世界文化遺産にも指定されているサウジアラビアのハーイル地方の岩絵には数百頭の犬の絵があり、中には弓矢を持った人がひもで犬と結ばれているものもあり、当時から犬が狩猟に使われていたことを示しています。日本でも縄文時代の遺跡から犬の骨が出土しており、縄文犬と呼ばれています。歯の損耗や欠損状態が現代の猟犬に共通する部分が多く、シカやイノシシの狩猟に使われていたと考えられています。

 もちろん現代でも犬は人間からたくさんの仕事を任されていますよね。牧羊犬やそり犬、番犬など昔からあったものもあれば、盲導犬や警察犬、麻薬犬や軍用犬のように、人間の歴史と共に生まれてきた犬の役割もあります。近年ではタレント犬やセラピー犬なんて呼ぶもの出てきていますね。これは猟犬にも言える事で、人間による狩猟のスタイルの変遷によって数々の犬の種類が生まれました!

 さて、猟犬の話に戻りますが、猟犬の分類にも多くの系統があります。ここでは用途別に大きく「鳥猟犬」と「獣猟犬」で分けていきましょう。鳥類と獣類では狩猟の方法も全く違うため、猟犬に求められる能力も大きく異なってくるんですよ。

  

 ▼鳥猟犬
鳥猟では基本的に散弾銃を使い、飛んでいる鳥を撃ち落とします。そのため、猟犬の役割もそれに沿ったものになります。草むらに潜んだ鳥を探し出し、ハンターに知らせる「ポインター」や「セッター」、ハンターが銃を構えたら鳥を飛び立たせる「フラッシング」、撃ち落とした獲物を回収してくる「レトリーバー」が代表です。また、複数の役割を同時にこなせる猟犬も存在します。これらはあくまで役割の名前で犬種とは別ですが、セッターやレトリーバーなど役割がそのまま犬種名として知られているものも多くありますね。

 鳥猟犬は人間の銃猟のサポートが主な仕事なため、大人しく従順な性格のものが多く愛玩犬としても人気があります。レトリーバーなどは誰にでも懐くほど温和な性格なため、「番犬にはならない」なんて言われたりもします。

ゴールデンレトリーバー。おおきな体に反して温和な性格で賢く、主人にも忠実。

  

 ▼獣猟犬

 ウサギやキツネ等の小動物からイノシシやシカ、クマといった大型の動物を狩るのが獣猟犬です。獲物を追いかけ、吠え立て、時には獲物と直接格闘する場合もあります。そのため足が早く、良く吠え、闘争本能が高い、などの特徴があるものが多いです。視覚で獲物を捉える「視覚ハウンド(サイトハウンド)」と、臭いで獲物を見つける「嗅覚ハウンド(セントハウンド)」に分けられます。ハンターと離れて単独で獲物を追い捕らえ、またそれがハンターに喜ばれてきたという歴史から、犬種によっては気位が高かったり攻撃性が高く、愛玩犬としてはあまり適さない場合もあるようです。

 ハウンド以外に和犬(柴犬、北海道犬、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬の6種)も昔から日本人と共に猟を行ってきた立派な獣猟犬であり、飼い主に非常に忠実な性格で猟犬としても人気があります。ちなみに、渋谷のシンボル忠犬「ハチ公」や青森県のブサかわ犬で有名な「わさお」は秋田犬。立派な猟犬の素質を持っているということなんですね!

秋田犬
秋田犬。平昌五輪の女子フィギュアスケート金メダルのザギトワ選手が好きな犬種としても有名。

  

 

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Nozomi

ノゾミ

茨城県の新米猟師。本業はヨガのインストラクター。東京に10年以上住んだ後、一念発起して茨城へ移住。ヨガレッスンの傍ら、おばあちゃんの畑のお手伝いをしている。畑に出る猪を駆除するために“狩猟免許”を取り仲間と共に害獣駆除を開始。近年の猟師・農家の高齢化・減少の現実受けて少しでも若い人に、そしてたくさんの人に“農業”について、“狩猟”について、そして“いのち”について興味を持って持ってもらいたいという想いから2019年1月よりYouTubeにて“Nozomi's狩チャンネル”を配信。2020年にはワーキングウエア(作業服)・防寒着・安全靴・長靴、レインスーツの専門店チェーン<ワークマン>公式アンバサダーにも就任。



♦Nozomi's狩チャンネル

https://www.youtube.com/c/nozomikarichan



♦ランドネたのしみ隊第一期生


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