初心者のための銃選び ~あなたにピッタリの銃がきっと見つかる |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

初心者のための銃選び ~あなたにピッタリの銃がきっと見つかる

【第20回】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件

【同じ銃でも構造が違うって!?】

 皆さんこんにちは! 茨城県でヨガのインストラクターの傍ら、新米猟師をしているNozomiです! 前回は“銃”についてその取得フローや金額などについて綴らせて頂きましたね。今回は銃の選び方やその構造上の分類、よく聞く用語の解説などをさせて頂きます。当たり前ですが、構造が違うという事は、それぞれの特性も違ってきます。たくさんの銃の中から貴方に最適な相棒を選ぶのは、とても至難の技だと思います。銃のメーカーさんのご紹介もさせて頂くので、これから銃を選ぶ人は是非参考にしてみてくださいね! 私の拙い文章を通して、少しでも“狩猟”に興味のある方、すでに“狩猟”に携わっている方、そして何より“いのち”と向き合っているすべての方のお役に立てれば幸いです。 

 さて、狩猟で使用する銃には「装薬銃」と「空気銃」がありますが、多くの方がイメージするのが「装薬銃」だと思います。装薬銃とは、火薬を燃焼させる時に発生するガスの圧力で弾丸を飛ばす銃です。銃の歴史はとても古く、西暦800年頃の中国ではすでに、竹筒に火薬と金属片を詰めた「火槍」という散弾銃のようなものがあったそうです。その後1000年以上に渡る歴史の中で、銃はいろいろな形を生み出して来ました。代表的なものをいくつか紹介します!

狩チャンネルメンバーと銃砲店へ

 

■装薬銃の種類いろいろ■

1.水平二連銃
  銃を構えた時に、銃身が2本左右に並べてついている銃です。それぞれに1発ずつ装填出来るので、2連発で撃つことが出来ます。「両引き」と言って、左右の銃身を自由に撃ち分けられる様に引き金が2本ついているものが多いです。構造が単純なため軽量で、野外での狩猟に向いています。ただし、耐久性が比較的低く、銃自体の軽さから射撃時の跳ね上がりも大きいので、近年は数が少なくなっているようです。

水平二連銃

 

2.上下二連銃
  水平2連が左右なら、これは文字通り上下に銃身を重ねた銃です。こちらももちろん2連発。水平2連と違い、引き金が1本のものが多いです。これは「単引き」といい、引き金を引くたびに1発ずつ発射されます。上下どちらの銃身から先に撃つかは、固定のものとセレクターで変更できるものがあります。クレー射撃などの競技では最も一般的な銃ですが、狩猟に使われている方もたくさんいます。

上下二連銃

 

3.自動(装填式)銃
 銃身が1本しかありませんが、射撃時のガスを利用した自動装填機構と弾倉がついていて、引き金を引くだけで連続して射撃出来る銃です。薬室に1発+弾倉分(散弾銃は2発、ライフル銃は5発)だけ撃てますので、狩猟にとても向いています。ただし、銃に適した強さの装弾を使わないと装填や排莢(はいきょう)に不具合が生じる可能性があることや、射撃ごとに空になった薬莢が自動排莢で隣の射手の方へ飛んでいってしまう事などから、射撃競技では敬遠される方もいます。

※排莢(はいきょう)とは?発射を行った後に薬室に残る使用後の薬莢を銃の外に排出すること。

自動(装填式)銃

 

4.スライド式銃(スライドアクション式銃、ポンプ式銃、レピーター)
 自動銃の装填機構を手動で行う銃です。左手で銃を支える部分(右手で引き金を引く場合)が前後にスライドする様になっており、射撃ごとにこの部分を前後にガッシャンと操作し、排莢と装填を行います。
 その動作の様子から、「スライドアクション」「ポンプ」、日本語では「しゃくり」と呼んだりもします。自動銃の大元がこの形式の銃なので、連発銃という意味で「レピーター」とも言います。自動銃と構造的に近いですが、装弾の種類に関わらず手動で確実な排莢・装填が出来る事が利点です。逆に、スライドを行わない限り次の射撃が出来ない為、クレー射撃等の競技射撃ではあまり使われていないようですね。毎回スライドするの大変ですもんね……。

ポンプ式銃

 

5.ボルト式銃(ボルトアクション銃)
 いわゆる「スナイパーライフル」のような銃です。銃身の後ろについたボルトを前後に動かして排莢・装填を行います。ただスライド式とは違い、銃から片手を離さなければボルトの動作が出来ないので、連続した射撃には適しません。構造上どうしても1発勝負になってしまう銃ですが、非常にシンプルな構造なので、精度や耐久性が高く、遠距離の射撃を行う狩猟やライフルでの射撃競技に向いています。

ボルト式銃

 

6.アンダーレバー銃(レバーアクション銃)
 引き金のすぐ下にレバーが付いていて、手動で上下に動かすことで排莢と装填が行える銃。19世紀後半にアメリカで開発された形式で、西部劇などの映画にもよく登場します。スライド式とボルト式の中間の様な性能なので実用性は低く、競技用としても狩猟用としてもほとんど使われていない。ただし、独特の操作感や派手な見た目から、少なくない数のファンがおり、未だに生産はされています。

レバーアクション銃

 

7.元折式単発銃
 1本の銃身に1発だけ装填が出来る銃。2連銃の大元となった形。散弾銃が主ですが、まれにライフル銃もあります。「元折式」とはレバーの操作などで銃が途中で折れて、露出した薬室に直接装弾を込める方式です。上下2連や水平2連もこの方式です。

元折式単発銃

 

8.複合銃
 散弾用の銃身とライフル用の銃身が組み合わされた銃。水平・上下2連散弾銃の片方がライフルになっているものや、水平2連散弾銃にライフルが組み合わされたものなど、複数の形がある。日本ではライフル銃として扱われますが……非常に高価なためほとんど普及していません。

複合銃
次のページ続いて「空気銃」についての説明

KEYWORDS:

オススメ記事

Nozomi

ノゾミ

茨城県の新米猟師。本業はヨガのインストラクター。東京に10年以上住んだ後、一念発起して茨城へ移住。ヨガレッスンの傍ら、おばあちゃんの畑のお手伝いをしている。畑に出る猪を駆除するために“狩猟免許”を取り仲間と共に害獣駆除を開始。近年の猟師・農家の高齢化・減少の現実受けて少しでも若い人に、そしてたくさんの人に“農業”について、“狩猟”について、そして“いのち”について興味を持って持ってもらいたいという想いから2019年1月よりYouTubeにて“Nozomi's狩チャンネル”を配信。2020年にはワーキングウエア(作業服)・防寒着・安全靴・長靴、レインスーツの専門店チェーン<ワークマン>公式アンバサダーにも就任。



♦Nozomi's狩チャンネル

https://www.youtube.com/c/nozomikarichan



♦ランドネたのしみ隊第一期生


この著者の記事一覧