【がん、心筋梗塞、脳卒中…命を脅かす怖い病気は人間ドックでは発見できない】 | BEST T!MESコラム

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

がん、心筋梗塞、脳卒中…命を脅かす怖い病気は人間ドックでは発見できない

糖尿病専門医・牧田善二氏が考える、一生涯健康で生きるために必要なこと③

糖質制限は、健康で長生きをするためのひとつの食事療法。充分な知識のない人が気軽に糖質制限に取り組み健康を損ねてしまうのでは本末転倒だ。極端に太っていない人が長生きをするためには、糖質制限よりも大切なことがある――。そう語るのは、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)の著者であり、糖尿病専門医として37年のキャリアをもつ牧田善二氏だ。「糖尿病は、それ自体が原因では絶対に死なない病気である」という牧田氏が考える、糖質制限よりも大切なこととは。

◇「正しい検査」を受ける習慣を

「長寿のために生活スタイルを改める」と言うと、まず頭に浮かぶのが、食事や睡眠のことだろう。それらについてものちほど述べるが、私がまず提唱したいのは、「正しい検査」を受ける習慣だ。

 

 あなたが、会社の健康診断や人間ドックを受ける理由はなんだろう。おそらく、健康で長生きしたいからだ。しかし、いま行われている検査では、からきし不充分なのだ。

 多くの人が毎年受けているのは、血液検査や血圧測定、心電図などに加え、がんを見つけるための、肺のレントゲン、腹部超音波、胃のバリウム、便潜血(べんせんけつ)といったところではないか。

 糖尿病の人も、そうではない人も、一番怖れるのはがんだろう。しかし、肺のレントゲン、腹部超音波、胃のバリウム、便潜血で早期がんが見つかる可能性は極めて低い。

 本当に健康で長生きしたいと考えるなら、ぜひ受けてほしいのが、胸部と腹部のCT、胃腸のカメラ、脳のMRIだ。この三つを年に一回やっておけば早期発見が可能となり、がんをはじめ、怖い病気で命を落とす危険性が格段に下がる。

◇激増している大腸がんと肺がん

・がん死亡予測数

1位 肺 77,200人

2位 大腸 50,600人

3位 胃 49,400人

4位 膵臓 32,800人

5位 肝臓 28,900人

・がん罹患予測数

1位 大腸 135,800人

2位 肺 133,500人

3位 胃 133,000人

4位 前立腺 98,400人

5位 乳 89,400人

 上の数字が示すのは、国立がん研究センター「がん情報サービス」より発表された二〇一五年の日本人の、部位別がんの罹患(りかん)数と死亡数の予測だ。 

 かつて、日本人には胃がんの罹患および死亡が多かった。ただし、その大きな原因がピロリ菌であることが突き止められ、かつピロリ菌の駆除法も確立してきたことから、今後は減っていくと考えられる。しかし、いまはまだ罹患数、死亡数とも多いから、注意が必要ながんであることは間違いない。

 新たに注目しなければならないのは、大腸がんと肺がんだ。

 男女問わず日本人に大腸がんが激増しており、二〇一五年には一三万五八〇〇人が大腸がんにかかると予測されている。罹患者が多いから死亡者も多くなる。

次のページかえってマイナスになる検査とは

KEYWORDS:

オススメ記事

牧田 善二

まきた ぜんじ

日本人の9割が誤解している糖質制限

好評発売中!




37年のキャリアをもつ専門医が警告!

日本中に蔓延してしまった「糖質制限」の誤解を解き、正しい知識と活用法を最新医学の観点から解説します。



糖尿病専門医。AGE牧田クリニック院長。1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事したあと、米国ロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病合併症の原因であるAGEの研究を約5年間行う。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を歴任し、2003年に東京・銀座に「AGE牧田クリニック」を開設。これまでにのべ20万人の患者を診ている。著書に「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」(講談社+α新書)、「人間ドックの9割は間違い」(幻冬舎新書)など多数がある。



 


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

日本人の9割が誤解している糖質制限 (ベスト新書)
日本人の9割が誤解している糖質制限 (ベスト新書)
  • 牧田 善二
  • 2016.05.10