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糖尿病だけではない! 怖い病気を呼び込む人工甘味料の危険性

糖尿病専門医・牧田善二氏が、巷に広がる「糖質制限」の誤解を解く!!

人工甘味料が体に悪い影響をもたらすことは、なんとなく知っている方が多いのではないだろうか。あるいは、悪影響を知らず、「糖質制限ダイエット」のため、糖質の代わりに摂取している方もまだいるかもしれない。では、具体的に私たちの体にどんな影響を与えるのだろうか。『日本人の9割が誤解している糖質制限』著者である、糖尿病専門医・牧田善二氏に解説していただいた。

◆糖質の代わりに摂ると、かえって糖尿病になりやすくなる

体に悪いと言われる人工甘味料。糖尿病だけでなく、さまざまな怖い病気を呼ぶ恐れがある。

 糖質制限をするときに、人工甘味料に頼る人がいる。「砂糖じゃないから大丈夫」と考えるのだ。血糖値を上げない、肥満にならないという触れ込みで、ずいぶん使われてきた人工甘味料だが、ここにきて、いろいろ問題があることがわかってきた。
 健康な人が人工甘味料を摂り続けていると、腸内細菌のバランスを崩し、それにより「耐糖能(たいとうのう)」が悪くなって糖尿病になるという論文が出た。
 耐糖能とは、インスリンがブドウ糖を処理する能力のことだ。つまり、人工甘味料を長く摂っていると、インスリンの働きが悪くなってしまうのである。
 家族に糖尿病を患う人がいる場合、「自分も糖尿病になりたくないから、砂糖の代わりに人工甘味料を使っていた」というケースが多いのではないだろうか。どうやら、それは逆効果のようだ。
 人工甘味料はAGEを増やすこともわかっている。AGEが糖尿病合併症の真犯人であり、全身の老化の原因であることは重ねて述べておきたい。
 加えて、人工甘味料が腸内細菌に悪さをすることも明らかになってきた。私たちは、善玉悪玉合わせて、一~二キロくらいの腸内細菌を持っている。そのバランスが崩れると、さまざまな怖い病気の引き金になることが報告されている。
 なかでも、「リーキーガット(Leaky Gut)シンドローム」という病気は注目に値する。私たちが食事をすると、分解された栄養素が腸から吸収され、不必要な老廃物は便となって排出される。ところが、リーキーガットシンドロームに陥ると、腸粘膜のひだに小さな穴が開き、本来であれば体内に取り込むべきではない毒素を取り込んでしまうのだ。
 それによって、クローン病(特定疾患に指定されている潰瘍(かいよう)性の消化器の難病)、食物アレルギー、リウマチなどを引き起こすことがわかってきている。
 人工甘味料は、市販の清涼飲料水などにも使われている。「果糖ブドウ糖液糖」「果糖液糖」「異性果糖」などという表記があったら注意してほしい。
<『日本人の9割が誤解している糖質制限』より抜粋>

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糖尿病専門医。AGE牧田クリニック院長。1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事したあと、米国ロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病合併症の原因であるAGEの研究を約5年間行う。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を歴任し、2003年に東京・銀座に「AGE牧田クリニック」を開設。これまでにのべ20万人の患者を診ている。著書に「糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい」(講談社+α新書)、「人間ドックの9割は間違い」(幻冬舎新書)など多数がある。



 


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  • 2016.05.10