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【橋下徹 VS大石あきこ】橋下が不利な状況に? 被告人質問で大石が尋問された内容とは?

弘中惇一郎弁護士(左)

 

 その後、弘中弁護士から裁判の概要とポイントについて説明がされた。

「この裁判は原告である橋下さんが一度も裁判に出廷していません。通常の裁判では考えられないです。でも見方を変えると、今日の大石さんの被告人質問がなくても成立するくらいおかしな裁判なんです」

「例えるなら、岸田総理は最近『増税メガネ』と言われていますけど、岸田さんが侮辱だと裁判を起こしたら、国民がどう思うかという話なんです」

 さらに被告人質問のポイントについて次のように意見を述べた。

「今日の被告人質問はやって良かったと思います。裁判所も熱心に聞いてくれたし、紙で伝えるよりも、生の声で何を伝えたかったのかを言えました。橋下市政・府政がメディアに対して、どれだけひどいことをしてきたのかがはっきりわかったと思うんですよ。橋下さん側の『被告が挙げた例は確かに事実だが、4つしかやっていない』『NHKに出演しないと言ったけど、取材拒否はしていない』という主張が通るとは思えない」

 と、と弘中弁護士は語り、原告側は苦しい状況に追い込まれていると予想した。

 また他の弁護士からは、「橋下氏側の弁護士から再尋問の要求を裁判所が突っぱねたことが印象的であった」と述べた。

 

 西弁護士はマスコミの姿勢に対して自らの思いを語った。

「橋下さんが、マスメディアの記者に対して、DVのようなことをしてきて自分の意のままに従わせようとした構造の中で、女性の記者が切り込んでいったのは凄いと感じました。しかし『マスメディアは力があるんだから、事実を報道して批判的観点に立って時の権力者を批判しないと大変なことになる』と大石さんは法廷で抗議してくれた裁判じゃないかなと思って聞いていました」

 西弁護士の次にマイクを握った大前弁護士は、最後に裁判所が大石議員へ質問したことが重要なポイントだと述べた。(「撃撮スクープ」という番組を)裁判になってから見たのではなく、その前から見ていたのが重要だという。それは被告側が勝訴となった場合、判決理由が書きやすくなるからだそうだ。裁判は、その後も書面でのやり取りが続くので、判決がどうなるかはわからない。被告側の印象が良かったと予測をした。

 

 その後は質疑応答に移り、「橋下氏側は『大石は証拠不十分なまま訴えている』と誘導したいように見えたが、質問を受けている最中、どう思っていたのか?」を大石議員に当サイトは尋ねた。

 大石議員も同じように感じたと述べた上で、「証拠はあるじゃんと思ってはいましたけれども、ただそういう印象をつけられようとしているので、そうじゃないよ、根拠をもって言ってるんだよと具体的に自分なりに答えたつもりです」

 マスコミが権力者である政治家を批判しなくなったのは、大阪だけではない。首相官邸にいる番記者も同じだ。首相会見で事前に質問を送らないといけないなんて日本だけであろう。マスメディアの役割は、権力者の監視が第一義である。政府の伝えたことを流すのは政府広報に任せればいい。この裁判で問われているのは権力者の姿勢だけではない。メデイアの役割も問われている。裁判は、2024年1月31日に判決が出る予定だ。

 

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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