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【橋下徹 VS大石あきこ】橋下が不利な状況に? 被告人質問で大石が尋問された内容とは?

 

■橋下氏側弁護士の質問は重箱の隅を突くような内容に終始

 

 続いては日刊ゲンダイの代理人との尋問が行われ、記事の内容について間違いないかの確認と公開前にゲラチェック(記事に問題がないか確認すること)をしたかどうかを確認。

 その後、本日の山場ともいえる原告(橋下氏)代理人との尋問へと移った。

 原告側は基本的には重箱の隅を突くような内容が目立つ。訴訟に至った大石議員の発言に対し、「その代わり、『言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる』の、その代わりの『その』とは何だ」といったもの、また「朝日新聞記者から橋下氏へ「ふざけんな。出て来い!」と言ったことは知っているかの有無」などを質問してきた。

 大石議員は、知らない部分は「知らない」と答え、その上で「橋下氏の発言は首長としてはあり得ない」と自らの主張を繰り返した。

 NHKへの出演拒否に対して、原告側は「『(橋下氏が)出演がしないけど、取材は受ける』と言っていたのを知っていたかどうか」を大石議員に尋ねた。すると、「知らなかった。しかし出演を拒否するというのは、取材拒否と同じである」と大石議員は回答した。

 その後、時間が余った被告側からの尋問でも、この例は取り上げられ、原告側は「(被告が)記事の切り取りをしたこと」を指摘した。

 原告側は再尋問を要求するも裁判官から拒否され証人尋問は終了。

 裁判官から「(橋下氏から訴訟を起こされる前から)橋下氏が出演した撃撮スクープは見ていたのか?」と聞かれ、大石議員は「全編見ていました」とはっきりと答えた。

 

■マスメディアの役割は『権力者の監視』である

 

 裁判終了後、被告人質問を終えた大石議員と弁護団が記者会見を開いた。参加したメディアは当サイトとネットメディアのIWJ、フリーランスの記者3名のみ。裁判の傍聴席には、11名の記者が座っていたのと雲泥の差である。参加メディアが少ないのも気にせず大石議員は、この裁判で訴えたいことを改めて語った。

「メディアの役割というのは非常に大きいんです。実際に自分もメディアの取材を受けると『この人全然わかってない』と思うことはあります。でも、大阪府政(政治)を監視し、今やっていることを視聴者に届けて、見た人が政治的な意思決定とか、判断を行っていくための大きな機会を作る役割がメディアにはある。だから誠実に答えていかないとダメだし、公務員時代のときも、組織はそういった対応してねというスタンスでした。

 しかし橋下さんは、誠実な対応することをぶち壊しました。メディアの記者、テレビ局を攻撃してきたんです。しかも自分のタレント的な人気を使ってね。そんなことをしたら政治自体が荒廃すると言ってきましたし、これからも言い続けるつもりです」

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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