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再エネ賦課金で事実上の増税?「インボイス問題」が放置されているのはなぜか

大手メディアが全く取り上げない非難殺到のインボイス制度。その真相とは


3月17日、参議院議員の山本太郎と前衆議院議議員の安藤裕がインボイス制度導入を反対する街宣活動を新宿西口地下で行った。フリーランスとして働く人が増加している今、さまざまな問題が指摘されているこのインボイス制度。そもそもなにが問題なのか。導入に向けてそれは改善されているのか? 反対活動する人たちの現場の声をリポートする。そこで見えてきたインボイス問題が放置され続けている理由とは。


「虚心坦懐に徹底的に国民の声に向き合う政治を行って参ります」とツイートをしている岸田文雄だが・・・

 

 2023年10月に導入されるインボイス制度。昨年10月にフリーランスの有志を中心に声優、税理士、土建屋さん、俳優、舞台関係者など多くの職種が集まって反対の声明を発表している。去る2月13日まで「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)が募ったインボイス反対のオンライン署名に約18万筆も集まった。

 この日は記者会見も行われ、弁護士やフリーのクリエイターら6人が続々と壇上に。それぞれの業界の現状を赤裸々に語理、インボイス制度導入反対を訴えた。STOPインボイスの発起人でライター・編集者の小泉なつみ氏は「陳情を通じてわかったことは、政府側も制度の歪さや反対の声が大きいことは認識しており、与党議員の中にさえ両手を挙げて賛同している人は1人もいないということ。根本的な問題が何も解決しない『緩和措置』などではなく、制度の『中止』を断固として求めたい」と語り、「インボイス制度は、民間で負担を押しつけ合うデスゲーム構造。発注者と受注者、消費者で負担を押しつけ合う構造だ」と断言した。

 続いてライブハウス「ロフト新宿」「阿佐ヶ谷ロフト」などを運営するロフトプロジェクト代表の加藤梅造氏もウンザリしながら訴えた。

「ライブハウスは、アーティストや音響、証明、カメラマン、メイクさん、配信担当者などのフリーランスに支えられているが、全員がインボイスに対応するのは無理。こちらで負担しなくてはならないだろう。経理の手間も考えただけでめまいがする」

 そしてヨガインストラクターの塙律子氏は、複数のスタジオを移動しながら教えるという業務形態であることを紹介。その上で一部のクライアントからインボイスの登録番号を聞かれているという。そして登録しない場合は「報酬から減額する」と通達されたと語った。

「今、インボイス制度を導入するのは、藁にすがりながらようやく浮上してきたところを暴力的に沈めるような行為だと思います。フリーランスという弱い立場で、一方的な契約解除や不利益変更に苦しんでいる私たちのような働き方があることをもっと知ってもらいたい。これ以上、生活を逼迫させないでほしいと切に願います」

 この他にも弁護士の宇都宮健児氏や経営者の堺剛氏、草木堂野菜店の甲田崇恭氏が、インボイス制度が始まると自身の業界にどのような影響が生じるかについて具体的な例を交えて説明をした。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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