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蒲生氏郷のふるさと・日野⑦日野城の弐

季節と時節でつづる戦国おりおり第412回

 

 日野城(中野城)跡碑。

 

 南を守る日野川。天然の外堀です。

 

 かつての本丸領域という西端部に近いところに残る「氏郷公産湯の井戸」。

 

 井戸近くには、「中野城趾」の石碑もあります。そこから時計回りでぐるっと西側を上っていくと、

 

 前回紹介した空の内堀の跡が、右の写真の左側に続いてきています。右側は土手で、2重の土手の間も空堀となっていました。大手門周辺は石垣で固められていたということで、おそらくそれを積み直して再現したのが現在の正面からの写真で見られる石積みなのでしょうが、それにしてもよくもまぁ天正10年(1582)本能寺の変の直後の蒲生家は明智軍が攻め寄せることを覚悟でこんな小城に立て籠もったものです。いざ本当に攻めてくれば、おそらくもっと東の山の中に逃げ込むつもりだったのではないでしょうか。 

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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