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BK展開か。FW突進か。ラグビーの攻撃スタイルをザックリ理解する

「ラグビーのオモロイ観方」第7回

今年はW杯日本開催もあるし、何かと気になるラグビー。でも観方がいまひとつわからない!そんなあなたにおくる連載企画。前回W杯南アフリカ戦を観てラグビーにプチハマりしたものの、その後が続かず。もう一度しっかりラグビーを知りたいというライター福田のもとに元日本代表・大西将太郎先生があらわれた――。今回は攻撃のタイプについて。

 ■FWの体格を活かしたパワープレイが特徴的な南アフリカ、ロシア

連載「ラグビーのオモロイ観方」第7回〉

ラグビー初心者のライター福田。一番好きなスポーツは野球

福田 前回は攻撃の基本的な戦術について教えてもらいました。大西さんはその上で、各チーム「自分たちの強み」をいかした作戦を考えている、と言っていましたね。そこをもう少し詳しく教えてください!

元日本代表のレジェンドであり、最近は解説者として活躍する大西将太郎先生

大西 大きくタイプわけするとすれば、FWを攻撃の軸にするか(FWに強みをもつか)、BKを攻撃の軸にするか(BKに強みをもつか)ですね。

福田 なるほど。まず、FWが攻撃の主体になるチームはどんな作戦をとるの?

大西 パスよりも体格を活かした、前へ前への突進が増えていきます。またゴール前では、FWが一体となって、モールやスクラムを押し込んでトライを狙っていきます。こうしたチームは、今回のワールドカップに出場する国でいうと、南アフリカやロシアなどが該当しますかね。

福田 おっ南アフリカ! 前回のワールドカップはすごかった。確かに2m級の選手がゴロゴロいた記憶がありますね。ロシアも何となくデカい選手が多そうなイメージです。実は見たことないんですが…

大西 確かにぼくにとってもロシアは謎が多い存在です。なかなか表舞台にあらわれず、情報が少ないんですよ。しかし、こないだの試合を観る限りでは、かなり極端な攻撃の戦略をとっているチームでした。

福田 ほうほうどんな?(しまった!その試合見てなかった…)

FWの強みをいかしつつ、徹底的なキック攻撃をしかけたロシア

大西 キックを蹴ってタックル、そしてフォワードの強い接点への働きかけでもう一度ボールを取り返す。ボールを再獲得する方法が明確なチームでした。ワールドカップまでにスキルを向上する時間がないので、自分たちが出来ることを最大限にやり切ろうという姿勢が印象的でした。日本はキックパスからトライをとられるなど苦しめられました。

福田 キックパスってかっこいいな!

大西 ロシアのラグビーはわかりやすく、初心者でも観ていて面白いラグビーと言えるかもしれません。

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大西 将太郎

おおにし しょうたろう

ラグビー元日本代表、解説者。

地元東大阪市の布施ラグビースクールでラグビーを始め、啓光学園高3年で全国高校大会準優勝。高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)は通算143試合に出場。2007~08シーズンは「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝く。日本代表には同志社大4年時(2000年)に初選出、以降、2008年のサモア戦まで通算33キャップ(試合)に出場。2007年ワールドカップフランス大会のカナダ戦では終了直前に同点ゴールを決め、12-12と引き分けながらも日本代表のワールドカップ連敗記録を13で止めた。 2016年現役引退。現在はJSPORTSやWOWOWのラグビー解説者として、また2019年ラグビーワールドカップの認知活動および、ラグビーの普及活動のため全国をまわっている。


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