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BK展開か。FW突進か。ラグビーの攻撃スタイルをザックリ理解する

「ラグビーのオモロイ観方」第7回

■ 多彩なパスで相手陣を攻略し、ディフェンスライン突破を狙うオーストラリア、日本

福田 では、次はBKが攻めの中心になるチームを教えてください!

大西 はい。BKが攻撃の軸になるのは、ほかのチームと比べて、FWの体格が
見劣りするという理由も正直大きいです。となると、必然的にパスが多いチームになりますね。

福田 なるほど。「強みをいかす」もありますけど、「弱みをかくす」という面もあるんですね。体格に劣る、日本はこのタイプ?

大西 はい、まさしくです。オーストラリアも日本に似たタイプ。日本と同様、ほかの強豪国に比べるとややパワーで劣りますが、かわりに素早いパスを何度も繰り返して、相手のディフェンスラインを崩し、その空いたスペースを抜いて、トライを目指していきます。

福田 へぇ〜。オーストラリアと日本の攻め方は似ているんですね。

大西 はい。今回のテーマを総括すると、FWが攻撃の中心になると必然的に
パスの数が少なくなる。一方、BKに展開すれば当然パスの数が多くなりま
す。なので、「パスの数が多いか少ないか」が、攻撃パターンの違いにあらわれてきます。

福田 パスの数を気にして試合を観るだけでも、それぞれのチームの違いが分かるんですね。

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大西 将太郎

おおにし しょうたろう

ラグビー元日本代表、解説者。

地元東大阪市の布施ラグビースクールでラグビーを始め、啓光学園高3年で全国高校大会準優勝。高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)は通算143試合に出場。2007~08シーズンは「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝く。日本代表には同志社大4年時(2000年)に初選出、以降、2008年のサモア戦まで通算33キャップ(試合)に出場。2007年ワールドカップフランス大会のカナダ戦では終了直前に同点ゴールを決め、12-12と引き分けながらも日本代表のワールドカップ連敗記録を13で止めた。 2016年現役引退。現在はJSPORTSやWOWOWのラグビー解説者として、また2019年ラグビーワールドカップの認知活動および、ラグビーの普及活動のため全国をまわっている。


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