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ビジネスマンの真価が問われるトラブル対応。お詫びの品は「虎屋の羊羹」がいい理由

言葉では足りない謝罪の意を示すため、モノに頼るのもアリ

■代替案で相手の怒りを和らげる

 そもそも、深刻なミスには、それなりの〝代償〞が伴うということを忘れてはいけません。

 値引きや無料化など、それなりの代替案をきちんと用意しておけば、相手の「こんなミスをして、一体どういうつもりだ!」という怒りにも対応できます。

「こういうつもり」を用意しておくと、怒りもおさまるのです。

 したがって、羊羹を差し出すと同時に取引上での代替案も差し出すことによって相手の腹の虫もおさまり、場合によっては「そうですか、そこまでされては逆に悪いような……」となることすらあるかもしれません。

 代替案のない謝罪など、ほとんど意味がないのです。

 怒っている相手にただひたすら頭を下げ続けても、仕方がないと思いませんか?

 ですから、「今回、○の件では取り返しのつかないご迷惑をおかけしてしまいました。

 ついては規模こそ小さくなりますが、△についてはぜひ御社とお取引をさせていただきたいと考えています」と、本来とは違う規模の取引だとしても、それなりの代替案を用意することによって、相手も「そうか、では△だけでも……」と怒りが小さくなるはずです。

 
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齋藤 孝

さいとう たかし

明治大学文学部教授。



1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士を経て、現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション技法。



250万部を超えるヒットとなった『声に出して読みたい日本語』シリーズ(草思社)のほか、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の精神力』、『10歳までに身につけたい「座る力」』(いずれも小社刊)など著書多数。


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