【上原浩治に聞く Q.5 メジャーで取り入れたほうがいい日本式ってありますか?】 | BEST T!MESコラム

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上原浩治に聞く Q.5 メジャーで取り入れたほうがいい日本式ってありますか?

上原浩治さんに聞く、30問30答! 日本野球のよさとは?

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――逆に、メジャーが取り入れたほうがいい日本式ってありますか? 例えば、とあるメジャー経験のある日本人投手は、先発ピッチャーでも毎日ずっとベンチにいなければいけない、というシステムを変えて、日本式の早上がり(※3)を取り入れたほうがいいとおっしゃっていました。

確かに次の日に投げる先発ピッチャーだけは、さすがにしんどいと思いますから上がったほうがいいとは思います。でも僕らブルペン組はいないといけないですよね(笑)。あそこ、待合室みたいなものですからね。162試合、待合室(笑)。

(※3)日本プロ野球では、翌日の先発投手は試合に備えるため、前日の試合を「早上がり」することが多い。

――いつ呼ばれるかわからない。

はい。もう何番さんどうぞーという感じ。19番さーん、みたいな(笑)。

まあ、それは冗談ですけど、僕の場合日本を7年も離れているんで、いま日本がどういうふうにしているのか、取り入れたほうがいいものがあるか分からない……、ただ、メジャーの選手は道具を大事にしないですよね。彼らはそれを悪いことだとは思っていないから、取り入れろ、とは思わないけれど、日本との差ではあるかな。

当然僕は道具を大事にしたほうがいい、と思っていますけど、それはその道具を手にしている背景には何があるのか、ということを考えるからです。

例えば小学生や中学生に野球教室などで指導するにあたっては、「道具を大事にしなさい」と必ず言います。それは、道具ってタダでもらえるものではないから。両親が一生懸命働いたお金で買ってもらっているわけじゃないですか。子どもたちはそれを忘れてはいけないと思う。

確かに、プロになれば、多くの選手がメーカーと契約してグローブもスパイクもバットも支給されます。そうであれば多少はいいと思うのかもしれないですけど、もとをたどればそういう思いを持ってやっていたはずですから、道具は大事にするべきだと思います。

――なるほど。

そういう感覚はメジャーにはないですね。なんて言ってもメジャーの選手は、グローブを平気で投げますから。それもね、投げたグローブが立つかどうかで今日の運がいいのか悪いのかを判断している(笑)。

――小学生のくつやスリッパのような(笑)。

本当にそうですよ(笑)。ほかの選手からちょっとちょっかいを出されたらグローブを投げつけるとかね。僕は子どもの頃からずっと大事にしろって教わっていましたから、つねに磨いていますし、絶対にそういうことはしないですけど、メジャーの選手でグローブを磨いている人なんてほとんど見たことがないです。

でも、日本人がメジャーに影響を与えているところもありますよ。道具にしても、ものすごく道具を大事にされるイチローさんがあれだけの活躍をされて、それを見ていたメジャーの選手がバットなんかをイチローさんと同じように大事にする、ということも実際に起きていますしね。

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



オフィシャルウェブサイト:http://koji-uehara.net/



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