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宇野常寛の最新刊『母性のディストピア』に、周囲の反応は?

宇野常寛さん3月毎日更新 Q27. 「『母性のディストピア』が発売されて、周りからの反応は?①」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

『母性のディストピア』は非常に具体的な本なんです

 

 何をもって「周りの反応」というのか、まあ同業者や読者からの反響という意味では、悪い評判は全然聞かないですね。それは、今までの僕の集大成の1冊でもあるからでしょうね。

 現在の出版業界のトレンドってはっきりしていると思うんですよ。一つはイデオロギー回帰の時代なので、右か左の立場をハッキリしたものがトレンドになっていますよね。

 

 もう一つは自己啓発本。この手の自己啓発系やビジネス系の書籍って、「今、イノベーションが西海岸や中国の沿岸部で起きている。日本も頑張れ!」みたいなことを言うことが多いですよね。たしかに、多くの日本人が気づかないうちに日本は世界から本当に置いていかれていますけど、肝心のそのことを隠して「頑張れ!」と言う本が多い。もう一つは、やっぱり人文書に多いですけど、「グローバル化や情報化に流されずバランスをとって生きようみたいな」論調も人気ですよね。どっちも10000%くらい正しいでしょうけど、その一方でよくよく読んでみると当たり前すぎて“何も言っていない”とも思うんですよ。でも、不思議とそういったものが圧倒的にトレンドとしてありますよね。

 だから、僕の『母性のディストピア』って非常に具体的な本なんですよ。そのせいで流行に乗った内容にはならなかったし、具体的な分防御力は下がっただろうけど、こういうものしか書きたくなかったんですよね。だから、すごく反時代的な本になったなあと思っています。ただ、内容的には昨今の大きなトレンドに乗っているわけではないのに、結構売れているんですよね。僕の主著の中では一番初速がいいと思います。しかも、値段は2999円と書籍のなかでも結構高い。それでも売れていますし話題になったと思いますね。

〈明日の質問は…… Q28.「『母性のディストピア』が発売されて、周りからの反応は?②」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。

そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26