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宇野常寛の上京物語「僕と同世代の人が書いた記事やコラムを見て…」

宇野常寛さん3月毎日更新 Q5. 「会社勤めをしているときに感じていたことは?」

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

京都でのサラリーマン時代。そして東京へーー

 

 大学卒業後は、就職せずに1年間ブラブラしていました。人生に迷ったというか、当時の僕には「世の中をこうしたい!」とか「こういう人生を送りたい!」というのがなくて。大学院に行くのもいいかなと思ったり、ちょうどその時、親から「就職とセットで実家に帰ってきてほしい」と言われて、それも悪くないなと思ったりもしていました。

 1年ブラブラした後に選んだのは京都での就職ですね。サラリーマンとして働きながら、ウェブサイトの記事を作る仕事を選びました。

 僕が所属する部署は僕と上司の2人だけ。その上司は団塊世代の人で、両親より年上でしたが、すごくかわいがってくれました。その上司が偶然、評論を書いている人だったんです。そんなに有名ではないですが、ペンネームで村上春樹や荒井由実の評論を書いている人で。そのことを教えてもらったときには「ああ、こんな生き方もあるんだ」と思いましたし、僕も書いてみたくなりました。

 

 もともと、大学4年の頃には大学の友達と評論のテキストサイトを作っていたんです。当時は多少話題にもなったんですけど、大学生の趣味という感じで、本格的に書いたことはなかったです。評論を読むのはもともと好きだったのですが、その後まさか自分が評論を書くことになるとは思ってもいませんでした。

 あと、当時26~27歳でしたが、僕と同世代の人間が雑誌で記事やコラムを書くようになるんですよ。雑誌が好きだったのでよく読んでいたのですが、そいつらが書いているものが本当におもしろくなかった。「僕が東京に出て本気を出したら、コイツらを蹴散らせるんじゃないか」と本気で思ったわけですね。

 そういった流れもあり、自分でも評論を書いてみようと思ったのがこの頃ですね。あと、メディアを作るのも好きでした。大学時代にテキストサイトを作ったのもそういった理由がありますし。評論を書きたいということに加えて、「自分でメディアを作りたい」という欲望を持つようになり、『PLANETS』を創刊することになりました。

〈明日の質問は…… Q5.「なぜ自分で会社を立ち上げようと思ったのですか?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。

そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26