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「ただの現実逃避ですよね」宇野常寛少年の過ごした思春期とは?

宇野常寛さん3月毎日更新 Q2. 「思春期の宇野青年」について教えてください。

「BEST T!MES」連載30問30答、3月は宇野常寛さんを特集! 自ら企画ユニット『PLANETS』を主宰、近年はメディアでの活躍も増える中、評論家として最新作『母性のディストピア』が大ヒット中。多彩な活動を続ける彼の「素顔」に30の質問で迫ります。

田舎の進学校でありがちなパターンに…

 

 小学校高学年から中学生くらいになってアニメや特撮にもう一度出会い直す、というかいわゆるオタクになっていくんですよね。どこが違うかというと、単にコンテンツを見るだけじゃなく、関連雑誌や評論も読むようになっていくわけです。探求を始めるんですよ。

 その後、函館のミッション系の高校の寮に入るんですがそこでまあ、平たく言えば受験勉強を放棄して遊び呆けるグループに入っちゃうわけですよ。それも不良っぽくお酒を飲んだり夜遊びするとかには全然興味なくて、ただ単にサボっている。部屋でずっと仲間たちとバカ話をしたり、本を読んだり、カードゲームをする。

 

 と、いうかそもそも娯楽が少ないから、よく自分たちでボードゲームを作ったりトランプの新しい遊びを考えたりしていました。卒業日前日も、受験勉強放棄して作った巨大すごろくを夜通し仲間内でプレイしたのを覚えています。たしか「THE KING OF La Salle ’96」というタイトルです。ある意味クリエイティブな高校生活だったと思いますよ。

 でも今思うと、受験勉強を放棄していたのはただの現実逃避ですよね。実はこれって田舎の進学校で落ちこぼれるタイプによくありがちなパターンだと思います。同級生たちはガツガツ受験勉強をがんばっているんだけど、そういうのはかっこ悪い、自分は「自分の能力が10あったら1~2だけ使ってコストパフォーマンスよく自由に生きていくんだ」みたいなバカなこと考えだすわけですよ。そういうタイプの人間は、僕だけじゃなくて、まわりにも一定数いて、そういうグループを形成して、ドップリ浸かっていた高校時代です。

〈明日の質問は…… Q3.「浪人時代のエピソードを教えてください?」です。〉

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宇野常寛・著母性のディストピア

 

宮崎駿、富野由悠季、押井守--戦後アニメーションの巨人たちの可能性と限界はどこにあったのか?

宮崎駿論4万字、富野由悠季論10万字、押井守論10万字の作家論を中核に、アニメから戦後という時代の精神をいま、総括する。
そして『シン・ゴジラ』『君の名は』『この世界の片隅に』――現代のアニメ・特撮が象徴するさまよえるこの国の想像力はどこにあるのか?

『ゼロ年代の想像力』『リトル・ピープルの時代』とその射程を拡大してきた著者の新たな代表作にして、戦後サブカルチャー論の決定版。

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宇野 常寛

うの つねひろ

評論家。1978年生。批評誌〈PLANETS〉編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)。石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『静かなる革命へのブループリント この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)など多數。企画・編集参加に「思想地図 vol.4」(NHK出版)、「朝日ジャーナル 日本破壊計画」(朝日新聞出版)など。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学社会学部兼任講師など、その活動は多岐に渡る。


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母性のディストピア
  • 宇野 常寛
  • 2017.10.26