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全米が絶賛した井口資仁の「あのプレー」はいかにして生まれたのか

井口資仁監督に聞く。Q23. 守備で大事にしていた技術はなんでしょうか?<後篇>

「BEST T!MES」連載30問30答、2018年最初に登場するのは2017年の雪辱を期す千葉ロッテマリーンズの新監督・井口資仁氏。現役時代、守備技術に持っていたこだわりについて聞いた。

ファインプレーにあった「基本」的なこと 

<前編はこちら>

 

 インタビュー取材の際、守備について話が及んだときに、多くの記者の方が質問してくる僕のあるプレーがあります。必ずと言っていいかもしれません。

 それはメジャーリーグのホワイトソックス時代の2006年4月15日、ブルージェイズ戦の9回裏のプレーのこと。ピッチャーの頭上を越える緩いゴロに対し、僕は前進しながら前に倒れるような姿勢で捕球し、そのまま空中で一塁へ送球して打者をアウトに刺しました。当時、米国のメディアなどでも大きく扱われたので、憶えてくれている野球ファンの方もいるのではないでしょうか。

 実は、あのプレーも、ポイントは体のバランスでした。打球がイレギュラーバウンドをしたため、無理な体勢でキャッチしなければなりませんでした。だから、キャッチした瞬間は、体のバランスを崩してしまっています。でも、その直後に、左手を地面に着いてバランスを整え直しているのです。

 
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井口 資仁

いぐち ただひと

1974年12月4日生まれ。東京都田無市(現:西東京市)出身。千葉ロッテマリーンズ監督。97年逆指名で福岡ダイエーホークス(現:ソフトバンクホークス)に入団。走攻守三拍子揃った選手としてレギュラーとして活躍する。2005年にはシカゴホワイトソックスに入団。ワールドチャンピオンに二度輝く。その後、09年に千葉ロッテで日本復帰。昨年現役引退を発表。


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