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エディー氏「メールより言葉を交わしなさい」

Q6. 日本人、日本文化をよく知るジョーンズHCから、日本のビジネスマンへの提言は何かあるでしょうか?

コミュニケーションは重要。メールの危険性

――エディーさんがおっしゃっていることはシンプルですが、なかなか日本のビジネスマンにとって難しいようにも思います。

 常にプランを立てつつ見直しを図ることです。まずは頭のなかにゴールを描いて、そして方法を考える。例えば日本代表がW杯の準々決勝進出を目標にしたとします。じゃあスクラムはどうすればいいのか、ディフェンスはどうか、それを頭のなかに描きつつ、ハードワークしていけば、達成できると思います。

――目標達成のためのハードワークは日本人のメンタリティがよく作用することもありますか。

ジョーンズ そうですね。日本人は勤勉です。そして互いを尊重します。これはラグビー選手としてもビジネスマンとしても不可欠な資質です。いい関係を築いて、個々がハードワークする。そうすれば互いに責任感を持つようにもなります。例えば一緒にコーヒーを飲んで話をして良い関係を築ければ、お互いを信頼するようになってくるでしょう。そうすると、仕事の場面で意思決定の時に、きちんと相手の意見を聞いて的確な助言をすることができますよね。

――ラグビーでもビジネスでもコミュニケーションは重要ですね。

ジョーンズ 必須です。私は話すことが大好きですが、スタッフはメールで済まそうとすることが多いです。ですがメールはテキストです。それではコミュニケーションを深めることはできません。感情がはっきりと見えませんからね。面と向かって話すことが関係を構築するのです。イングランドの代表チーム内でも、必ず一人ひとりと言葉を交わすようにしています。

明日の質問は…〈Q7.かつて先生をしていた経験をもつジョーンズHCは、現在の日本の教育に関してどう思っているのだろうか?〉です。

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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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