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エディー氏が説く、大学での「勉強」の意義

Q3.日本の高校ラグビーや大学ラグビー界についての何か提言はありますか?

連載「学考」、今回登場するのはラグビーイングランド代表ヘッドコーチ(元日本代表ヘッドコーチ)、エディー・ジョーンズさん。日本ラグビーの下地となる、高校ラグビー・大学ラグビーをどう見ているかを聞いた。〈Q3.日本の高校ラグビーや大学ラグビー界についての何か提言はありますか?〉

ラグビーW杯のレガシーで、指導者のレベルも上がっていく

――日本の高校ラグビー界の指導者のレベルが上がってきているように思えますが。

ジョーンズ そうですね。それは日本だけでなく、世界の強豪チームはどこでもそう思いますよ。イングランドも今まではあまりよくありませんでしたが、最近はコーチングシステムを整備してよくなってきています。ニュージーランドも同じです。ただ、日本はチャンスだと思います。2019年ラグビーW杯でレガシーを作り、日本の高校ラグビーの指導者をもっと向上させていくことができるかもしれません。

――かつて、ジョーンズHCは日本の選手は「大学の4年間はラグビーをしていないことと同じ」と言っていましたが。

 

ジョーンズ 今でも100パーセントそう思っています。ただ、高校からすぐにトップリーグに入ることがいいとは思いません。まだ十分にプロフェッショナルでプレーする力がないからです。そうなるためには、セブンイレブンのように休みなく働かなくてはなりませんよ。本当にいい選手になるまでは、大学でいろいろと勉強をするべきです。大学では、どのくらいラグビーの時間がありますか? 30〜40パーセントくらいではないでしょうか。残りはいろんな意味での勉強です。ラグビーが100パーセントではありませんよね。理想としてはラグビー半分、勉強半分くらいです。大学ではちゃんと勉強すること、ちゃんとラグビーすること、両方ができれば成長します。

 
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エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


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