●複合的な問題に対処できない児童福祉

 15歳以上の子どもの問題になってくると、子育てや問題行動という枠から飛び出して、いわゆる非行や少年犯罪という問題や、あるいは虐待の影響がより重くなって精神病と診断がつくレベルの問題が増えてきます。そして、性に関する問題も出てきます。ですが、児童福祉はもっと低年齢の子どもの支援を専門としていた領域のため、こういった高年齢の子どもの複合的な問題に対してはそもそも知見が浅く専門外の部分もあり極端に弱いというのが現実です。こうした複合的な問題が絡む場合の子どものケースワークは、極端に見通しが甘くなったり、雑になったりする傾向が強いと感じます。

 児童相談所は何をやっているのだ、怠慢じゃないか、と批判されることも少なくないですが、そもそも児童福祉に従事する人員が圧倒的に不足しています。諸外国に比べて、ケースワーカー1人あたりが担当するケースの数が多すぎる。一つ一つのケースに注力することが難しい。そのような中でこうした複合的な問題を抱えた高年齢の子どものケースに対してできることは自ずと限られています。色々なケースを抱える中で優先順位をつけていくとなると、より低年齢の子を優先していかないといけない。高年齢の子どもに対してはどうしても時間をかけた丁寧な対応が難しくなりどこか投げやり、紋切り型な支援になってしまうことも。そうなっていいわけではないけれども、そうならざるを得ない現状がある。思春期以降の複雑な問題を抱えた子どもの支援を現在の児童福祉の枠組みだけで行っていくのはかなり難しい状況にあるといえます。