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ご利益がアップする、お札やお守りの正しい扱い方とは?

初詣などの季節行事、例大祭や縁日などの祭事、初参りや七五三などの人生儀礼、あるいは嬉しい時や悲しい時など、社寺をお参りする機会はなにかと多い。神仏にちゃんと願いが届くよう基本を確認しておこう。

 社寺の授与品は大きく2種類に分けられる。ご祭神・ご本尊の霊威が宿っているものと、それ以外の縁起物だ。
 霊威が宿っているものには、お札やお守りがある。お札は紙や木、金属の板に社寺名やご祭神・ご本尊の名前などを記して印を捺したもので、祈祷によりご祭神・ご本尊の霊威(魂)が込められている。お守りはお札を携帯できるようにしたもので、錦などの袋に入れられていることが多い。
 つまり、お札やお守りはご祭神・ご本尊の分身のようなものなので、汚れないよう注意する。お札は神棚などに祀り、お守りは身近なものにつける。
 霊威がやどらない縁起物(破魔矢・絵馬・土鈴など)も神仏からの授かりものなので粗末にしてはいけない。

【授与品の扱い方】

お札
神仏の分身として、神棚や仏壇、高くて清浄な場所に祀る
紙や木、金属などの板に神社名などを書き、印を捺したもの。神仏の霊威(魂)が込められているので、分身のようなつもりでお祀りする。神社のお札は神棚に奉安し、寺院のものは仏壇あるいは指示された場所に安置する。一年ごとに新しいものをいただくのが基本。

お守り
「持ち歩くお札」なので、引き出しに放置はしないこと
携帯用のお札。木札に紐を通しただけのものもあるが、多くの場合錦などの袋に入れられている。身につけるお札なので肌守りともいう。鞄などにつけてもよいが、お守りが地面などの汚れたところにつかないよう注意する。やはり毎年新しいものをいただくのが基本。

破魔矢
災いを除ける縁起物。家中の高い所に置く
悪しきものを払いのける縁起物。正月に神社で授与されることが多いが、もとは破魔弓とセットで男児の初節句の贈り物とされた。家の棟上げ式(上棟祭)の際には鬼門(北東)に向けて置かれる。家ではどの向きでもよいが先が神棚に向かないようにする。

絵馬
願いを込める奉納品だが、持ち帰っても構わない
雨請いや止雨の祈願の際に馬を奉納したことに由来するもので、すでに奈良時代には用いられていた。当初は馬の代用品であったが、やがて願いごとを書いて(描いて)神仏に奉納するものとなった。社寺に奉納するのが本来の用い方だが、いただいて帰ってもよい。

おみくじ
神仏からのメッセージ。持ち帰って暮らしの参考に
くじは神意を知るための占いとして古くから用いられていた。神仏のお告げと考えられたため尊敬を表わす接頭語が二重につけられて「お・み・くじ」と呼ばれた。いただいて帰るのが本義だが、悪い卦(占いの内容)のものなどはおみくじ掛けに結んでいってもよい。

御朱印
ご祭神、ご本尊をお参りした後、「参拝の証」としてもらうもの
参拝の証に捺してもらう社寺の印。西国三十三所霊場や四国八十八カ所霊場などで写経を納めた際に捺された印に始まるともいい、ここから納経印ともいう。参拝をしてから捺してもらうものだが、納経帳を先に預かるところもあるので社寺の指示にしたがうこと。

『一個人』2021年冬号より抜粋)

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渋谷 申博

しぶや のぶひろ

日本宗教史研究家

1960年東京都生まれ。早稲田大学卒業。
神道・仏教など日本の宗教史に関わる執筆活動をするかたわら、全国の社寺・聖地・聖地鉄道などのフィールドワークを続けている。
著書は『聖地鉄道めぐり』、『秘境神社めぐり』、『歴史さんぽ 東京の神社・お寺めぐり』、『一生に一度は参拝したい全国の神社』、『全国 天皇家ゆかりの神社・お寺めぐり』(G.B.)、『神社に秘められた日本書紀の謎』(宝島社)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)、『眠れなくなるほど面白い 図解 仏教』(日本文芸社)ほか多数。

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