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焼香のやり方は会場によって違う! 今さら聞けない葬式のルール

通夜・葬儀式の作法②

弔問に訪れる時期や服装、宗教による表書きの違い、焼香のやり方など、弔事の作法にはさまざまなルールがある。いざというときに困らないために、最低限知っておくべき作法を紹介したい(雑誌『一個人』2018年1月号より)。

◆焼香のスタイルは会場に応じて3通りある

画像/photo AC

 焼香とは、仏式の葬儀や法事で、お香を焚くこと。香りで霊前を清めて、故人の冥福を祈るという意味がある。焼香は宗派によって違いはあるが、あくまで故人の冥福を心から祈る気持ちが大切。
 基本的な焼香の方法は、まず右手の親指と人差し指、中指の3本で抹香を少量つまみ、手を返して額の高さまで掲げる。これを「押しいただく」という。次に、左の香炉の少し上に移動させ、指をこすりながら抹香を撒くようにと落とす。

 焼香には、立って行う「立礼焼香」、座って行う「座礼焼香」、座って香炉を手元に置き、焼香してから隣の人へ回す「回し焼香」といった具合に、3つのスタイルがある。

 立礼焼香は、椅子席の式場で多く行われるスタイル。喪主や親族の焼香が終わった後に、参列者が順番に焼香する。
 座礼焼香は、畳敷きの式場で多く行われる。座礼焼香の場合も、基本的な手順は、立礼焼香と同様だ。異なるのは、まっすぐに立ち上がらないということ。移動は常に腰を落とし、焼香は正座して行う。この際の移動の作法を「膝行(しっこう)・膝退(しったい)」という。
 回し焼香は、故人の自宅や式場が狭い場合など、座ったまま香炉を隣の人に順番に渡しながら行うやり方だ。

 数珠には「本式数珠」と「略式数珠」があり、常に左手で持つ。前者は各宗派の正式な数珠、後者は宗派を問わずに使える数珠で、「片手数珠」ともいう。

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岩下 宣子

現代礼法研究所主宰

マナーデザイナー。NPO法人マナー教育サポート協会理事長。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏に学び、1985年に現代礼法研究所を設立。多くの企業や団体でマナー指導を行っている。著書に『マナーのすべてがわかる便利手帳』(ナツメ社)など。


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