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年始の挨拶、最低限覚えておきたいマナー

知っておきたい「暮らしのマナー」/贈り物の作法 編

慶事や弔事の贈り物に関するマナーは数多くある。一見、煩雑にも思えるが、これらは全て相手に対して自分の気持ちを十分に伝えるためのもの。そのために最低限守るべきルールを、シーンごとに紹介したい(雑誌『一個人』2018年1月号より)。

マナーは相手に気持ちをしっかり伝えるためのもの

 お祝いやお礼などの贈り物をする際、贈る相手に対して何の目的で贈っているのかを明らかにしなければならない。ただ物を贈るだけでは、相手に気持ちを十分伝えることができない。そこで重要になってくるのが、のし袋やのし紙の表書きの書き方。これにはルールがあるので、贈る相手に失礼のないようにしよう。

 相手に気持ちをしっかり伝えるためには、贈るタイミングも大事。慶事はできるだけ早く贈るのが基本だが、弔事は早すぎると準備していたような印象を与えるので、タイミングを見計らう心配りが必要。また、お中元やお歳暮は時期が過ぎると、「暑中御見舞」や「寒中御見舞」に表書きが変わるので注意する。

 贈り物は相手方に持参するのがルール。なので、できれば直接手渡したいもの。渡すタイミングで、うっかり間違えてしまいがちなのが、玄関先で渡してしまうこと。部屋に通されることが決まっている場合は、正式な挨拶をした後に渡すのが正しいマナーだ。また、お金の入ったのし袋や贈答品をそのままバッグに入れて持参するのは、失礼に当たる。のし袋はふくさ、贈答品はふろしきに包んで持って行くようにしよう。

 贈答品を郵送や宅配便で贈る際には、何の目的でいつ頃届くのかを知らせるために、品物が届く前に送り状を送るのがルール。親しい間柄の場合は贈答品と同時に送り状を送付するのもアリだが、宅配便は品物と手紙を同梱して送るのは法律で禁止されているので気をつけよう。

 贈り物の包みかたにこだわるのも、相手に気持ちがより伝わり、ポイントが高い。包装紙は慶事には暖色、弔事には寒色を選ぶと良い。包装では、のし紙にも注意する。内祝いや宅配便で送る際には内のし、慶事や手渡しする際には外のしが、それぞれ適しているので覚えておこう。

 

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岩下 宣子

現代礼法研究所主宰

マナーデザイナー。NPO法人マナー教育サポート協会理事長。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏に学び、1985年に現代礼法研究所を設立。多くの企業や団体でマナー指導を行っている。著書に『マナーのすべてがわかる便利手帳』(ナツメ社)など。


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