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足りないのは「時間」ではなく「知恵」だ

何も考えず一生懸命頑張ってもしょうがない トヨタ式で早く帰る②

この時期山積みになった仕事と、今年も残すところあとわずかとなったカレンダーを見て、「ああ時間がない…」となげく読者も多いのではないだろうか。『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)を上梓した桑原晃弥氏に、改善方法をお答えいただいた。

時間を制するものばビジネスを制す

「成果をあげる者は、時間が制約要因であることを知っている」はピーター・ドラッカーの言葉です。時間は借りることも、買うこともできませんし、仕事ができる人も、できない人も同じ時間しか手にすることはできません。そしてほとんどの人にとって時間はいつだって不足します。

 特に仕事にはイレギュラーや、予定外がつきものです。一日の仕事を始める前、「今日やるべきこと」をきちんと書き出して、優先順位をつけ、順調に仕事をこなしたとしても、途中、予定外のことが起きるのはごく普通のことです。

 取引先からの電話やメールに時間をとられることもあれば、会議や打ち合わせが長引くこともあるでしょう。あるいは、上司から「これ今日中に」という突然の指示も入ってきます。結局は「予定外」を引きずったまま就業時間は延びていき、2時間、3時間の残業は「当り前」になってしまいます。

 こうした当たり前を当たり前でなくするためには、これまで以上に時間を有効に使うことが求められますが、ほとんどの人は「時間の使い方」を工夫するよりも、「もっとがんばらないと」「もっと一生懸命やらないと」と自分を奮い立たせようとしてはいないでしょうか。

 たしかに仕事を効率よく、より早くやるためには「慣れ」や「訓練」、「知識」も欠くことはできませんが、同時に仕事の中に潜んでいるたくさんの「ムダ」を省き、仕事の仕組みを改善することも大切なことなのです。

 
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桑原 晃弥

くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)などの制作を主導した。著書に『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『ウォーレン・バフェット成功の名語録』(PHPビジネス新書)、『伝説の7大投資家』(角川新書)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)など。バフェット関連書籍多数。


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  • 桑原 晃弥
  • 2017.12.22