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【「地名」トリビア】日本でいちばん長い地名は愛知、「丁目」入れると京都、で、何文字⁉️《47都道府県「地名の謎」》

6世紀の漢字の輸入により急激に増えた地名。現代に至るまでの変遷を追う[地名の基礎知識]


世界でも有数の地名数を誇る日本。
全国どこでも多様な風土を表す地名が多数存在する「地名列島」といえる。
そんな豊かな地名のうまれた歴史を追いながら、由来の主な特徴を挙げる。


 

■地名の基礎知識

意外と知られていない地名に関する基本的な決まりやトリビアを紹介。

Q1【大字(おおあざ)小字(こあざ)とは?】

町・村の下が大字、その下に小字
大字は、明治期の合併の際に江戸時代からの町村名を継承した土地を区切る単位・エリア。また小字は、大字エリアより小さな集落につけられた。単に「字」ともいう。

 

Q2【条・筋・通の違いとは?]  

◉覚えやすくするための先人の知恵
大阪市中心部の道路では、南北に走る道は「筋」東西を「通」とつけられている。京都市の「条」は古代の条坊制の名残。条坊制では南北を「坊」東西の道を「条」としている。

 

Q3【丁目・番地・号はいつできたか?】

◉住所をわかりやすくする表示
土地の区画を表す単位で、丁目→番地→号の順で小区分となる。古くから使われている言葉だが、現在の意味の「丁目・番地・号」は1962年に制定された住居表示法から。

 

Q4【ひらがな・カタカナ地名はなぜできた?】

◉ひらがな県庁所在地がきっかけか
かつてはむつ市いわき市など数えるほどだった、ひらがな地名。2001年にさいたま市が全国初のひらがな市名県庁所在地として誕生して以来、各地で名乗りを上げるようになった。
駅も施設も“さいたま”

 

Q5【前・中・後、上・下のつく名前が多いのは?】

◉一国を分割した古代の行政区画
「前・中・後」「上・下」がつく地名は、8世紀頃、ひとつの国を2分割、3分割した名残と考えられ る。例えば「越国」越前、越中、越後に、「総国」は上総、下総に分割された。

◉「前・中・後」「上・下」のつく国名
[旧国名]
毛野国 (上野、下野)
総国 (上総、下総)
越国 (越前、越後、越中)
吉備国( 備前、備中、備後)
豊国( 豊前、豊後)
筑紫国( 筑前、筑後)
肥国 (肥前、肥後)

◉現在もある「前・中・後」「上・下」のつく地名
【前後】
道前・道後(愛媛県)
島前・島後(島根県)

◉【上下】
上呂・中呂・下呂(岐阜県)
上関・中関・下関(山口県)

 

Q6日本で一番行政地名の多い県は?

◉広大な北の大地は市町村数トップ
都道府県の中で市町村数が最も多いのは、北海道の179。2位の長野は77なのでダントツの数。これに対して最も少ないのは富山県の15市町村で、北海道との差は約12倍ある。

◉全国都道府県・市町村数ランキング(2018年10月1日現在)
1 北海道 179
2 長野県 77
3 埼玉県 63
4 福岡県 60
5 福島県 59
6 千葉県 54
 愛知県 54
8 熊本県 45
9 茨城県 44
10 大阪府 43
   鹿児島県 43
12 岐阜県 42
13 兵庫県 41
     沖縄県 41
15 青森県 40
16 東京都 39
     奈良県 39
18 宮城県 35
     山形県 35
     群馬県 35
     静岡県 35
22 高知県 34
23 岩手県 33
  神奈川県 33
25 新潟県 30
  和歌山県 30
27 三重県 29
28 山梨県 27
     岡山県 27
30 京都府 26
     宮崎県 26
32 秋田県 25
     栃木県 25
34 徳島県 24
35 広島県 23
36 長崎県 21
37 愛媛県 20
     佐賀県 20
39 石川県 19
    滋賀県 19
    鳥取県 19
    島根県 19
    山口県 19
44 大分県 18
45 福井県 17
    香川県 17
47 富山県 15
※東京都は特別区(23区)を含めず。

 

Q7日本で一番長い地名は?

◉トップタイに茨城県が2つ入る
日本一文字数の多い市町村名はかすみがうら市つくばみらい市(茨城)いちき串木野市(鹿児島 )6文字。読み仮名では1位は9文字の南九州市(みなみきゅうしゅう)【地名だけなら】25文字
愛知県海部郡飛島村大字飛島新田字竹之郷ヨタレ南ノ割

【丁目を入れるなら】31文字
京都府京都市東山区三条通南裏二筋目白川筋西入二丁目南側南木之元町
京都府京都市東山区三条通南裏二筋目白川筋西入二丁目北側北木之元町
京都府京都市上京区今出川通烏丸東入上る二筋目東入下る相国寺門前町
京都府京都市上京区寺町通今出川上る一丁目西入三筋目上る上塔之段町
同志社大学と隣り合う相国寺門前町

(2020年一個人5月号から

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谷川 彰英

たにかわ あきひで

筑波大名誉教授

1945年長野県生まれ。ノンフィクション作家。東京教育大学(現・筑波大学)、同大学院博士課程修了。柳田国男研究で博士(教育学)の学位を取得。筑波大学教授、理事・副学長を歴任するも、退職と同時にノンフィクション作家に転身し、第二の人生を歩む。筑波大学名誉教授。日本地名研究所元所長。主な作品に、『京都 地名の由来を歩く』シリーズ(ベスト新書)(他に、江戸・東京、奈良、名古屋、信州編)、 『大阪「駅名」の謎』シリーズ(祥伝社黄金文庫)(他に、京都奈良、東京編)『戦国武将はなぜ その「地名」をつけたのか?』 (朝日新書)などがある。

 

 

 

 

 

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