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私たちは知らず知らずのうちに“母性コスプレ”を強いられている。

産まないことは「逃げ」ですか⑥

産んでも産まなくてもこれでよかったと思える人生のために。女として「自分が主語」の人生を楽しむためのヒントがある。34歳で子供が欲しくなり、40歳で不妊治療をやめたコラムニスト吉田潮の体験。妊娠した時のこと、そしてその後のこと。『産まないことは「逃げ」ですか?』より紹介する。

母性のホントの正体は昭和の刷り込み・負の遺産

 人様が抱くイメージは面白いなぁと思う。ライターなどというヤクザな稼業で、酒もタバコも過剰にたしなみ、夜明けのオカマ声でイレギュラーなサイズのボディ(身長176センチ・体重74キロ)をもつ私。世間が抱く「母性」とはなかなかに縁遠いと思われがちだ。

 なぜか結婚していると思われないし、私が書いた原稿を読んで、「てっきり男だと思っていた」という人も実に多い。なぜかしら。最近は意図的に「オンナ言葉」を入れて、文章の女コスプレをしているというのに。心外だわ。

 でも、数人の友達から言われたことがある。「潮が子供を小脇に抱えている姿は似合うと思う」と。ベビーカーじゃなくて小脇に抱えるってのがポイントなんだけど。長くてたくましい二の腕で、赤子をがっちり抱きかかえてあやすお母さん像をイメージしてくれる人もいたのだ。イメージって人それぞれなんだなぁと思った。

 以前、子供を産んだ女友達の家へ遊びに行った時のこと。彼女が赤ちゃんを抱っこしている姿よりも、彼女の夫が赤ちゃんを抱っこしている姿のほうがしっくりきた。男のほうが実は子育てに向いているんじゃないかとも思った。同時に、私自身が「赤ちゃん=母と一緒」という勝手なイメージを押しつけていたのだと気づいた。母性ってものすごく勝手なイメージの刷り込みなんだよね。

 もうそれ自体が昭和。昭和の負の遺産なのだ。

 

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吉田 潮

よしだ うしお

コラムニスト

1972年生まれ。おひつじ座のB型。千葉県船橋市出身。ライター兼絵描き。



法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』、『Live News it!』(ともにフジテレビ)のコメンテーターなどもたまに務める。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より『東京新聞』放送芸能欄のコラム「風向計」を連載中。著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『TV大人の視聴』(講談社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』(KKベストセラーズ)、『くさらない イケメン図鑑』(河出書房新社)ほか多数。本書でも登場する姉は、イラストレーターの地獄カレー。



公式サイト『吉田潮.com』http://yoshida-ushio.com/



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  • 吉田 潮
  • 2017.08.26