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腹式呼吸よりさらに効果大! 「完全呼吸」が疲労回復のソリューションだ

カラダとココロに好影響!

姿勢を正しくするには呼吸が9割! めいっぱい吸って吐く、胸式呼吸と腹式呼吸の両方をおこなう「完全呼吸」を行えば、姿勢改善、さらに精神を安定させる効果も。(雑誌『一個人』2017年10月号より)。

『完全呼吸』で無理なく
姿勢を正し、健康を維持する

 “姿勢に問題はありませんか?” そう聞かれれば、あなたはどう答えるだろう。エバニュー「姿勢に関する意識調査」によると、猫背に悩む人は多く、57.8%の数字もそのことを大きく表している。しかし、どうして猫背の人がこんなに多いのか。日本ストレッチトレーナー学院の学長・兼子ただしさんはこう説明する。

「人の体のお腹と胸の部分にはそれぞれ胸腔、腹腔という空洞があり、その構造上、どうしても体は丸まってしまうものなのです。特に東洋人は、西洋人に比べて胴が長いため、余計猫背になりやすいと言われています」。

 さらに猫背は、筋力が落ち、胸や肺が固くなることで、歳を重ねるごとに悪化していく。
「歳をとると姿勢が悪くなるのは、背筋力が低下するせいだと思われがちですが、それは誤解です。30代と80代の平均的な背筋力に大きな違いはありません。低下するのは呼吸能力の方で、30歳を100%とすると、80歳では平均40%まで落ちます。つまり、呼吸能力の低下、すなわち呼吸筋の衰えが姿勢の悪化を招くと推測できます。姿勢を正す鍵を握るのは呼吸筋なのです」。

 では、呼吸と姿勢はどう関係しているのだろうか。姿勢を正しく保つために働くインナーマッスルは、ある呼吸法を実践することで効率的に鍛えられると兼子さんは言う。

 

「正しい姿勢を保つために大きな役割を果たすのが、横隔膜や腹横筋などの呼吸筋で、それらインナーマッスルを鍛えるために有効なのが『完全呼吸』です。めいっぱい吸って吐くことで胸式呼吸と腹式呼吸の両方を行い、さらに首にある斜角筋も大きく動き、全ての呼吸筋を強化します。深く息を吸って空気を体内に十分取り込むと、横隔膜が下がり、腹圧が高まって、体が真っすぐ伸びる。そうすることで、体を内側から支える力が強まるのです。一方、息を吐くときに強化される腹横筋は、お腹周りをほぼ一周取り囲んでいて、コルセットのような具合で姿勢を正しくキープさせます」。

「完全呼吸」には、慢性疲労や肩こりの改善とともに、脳へも充分酸素が行き届くため、精神も安らぐなどの健康効果も期待できるという。
 いつも無意識でしている呼吸に少し意識を傾けることで、狙い撃ち上達の基本となる正しい姿勢を手に入れられるこの呼吸法。健康で長くスポーツを楽しむためにも、実践をお勧めしたい。

『一個人』2017年10月号より構成〉

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