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“なんくるないさ” なぜ沖縄の人は悲壮感がないのか?

日本の最貧困地帯 沖縄のリアル③

沖縄には終電という概念がない。延々と酒を飲む

 他にもこの知り合いの教師は、保護者から部費を払うことができないと相談があり、生徒にそれとなく家庭のことを聞いてみたことがあるという。そうすると「お父さんは、昨日も飲みに行って帰ってくるのが遅かった」という話を聞くことが多かったそうだ。

 沖縄県は他都道府県と比べても、ダントツの夜型社会だ。それに加えて、飲み会も多いし終電という概念がないので午前様まで宴会が続くのは日常茶飯事なのである。

「明日は仕事は何時から?」
「8時だよ」
「じゃあ、7時まで飲めるね」

 という、よく聞く冗談があるぐらいだ。

 沖縄には人とのつながりがあり、お酒もある…貧困が社会問題になっていても持ち前の明るさで日々を楽しく豊かに過ごしている県民も多々存在する。

 前述したように、「いざとなったら親戚一同が助けてくれるので、貧困から抜け出す努力をしないのではないか」という友人の言葉には納得するものがあった。

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神里 純平

1979年生まれ。沖縄県在住の会社員。

中堅のリサイクルメーカーにサラリーマンとして勤務し、会社内から出る産業廃棄物の収集運搬やグループ内の在庫移動の業務に従事する毎日。少年の頃には紆余曲折があったが、現在は友人たちと一緒に、仕事後や休みの日に子どもたちに格闘技を指導することがライフワークとなっている。好きな言葉は「人生一生雑巾がけ」。著書に『沖縄裏の歩き方』(彩図社)がある。


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