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長野県飯田市「程野の霜月まつり」

木沢地区の翌日に程野地区でも霜月まつりは行なわれる。

霜月まつりは遠山郷で行われている。遠山郷の各地区は2005年に飯田市に編入されたが、天竜川に沿った曲がりくねった細い道を走ると飯田市の面影は全くなく、やはりここは「秘境遠山郷」だ。

木沢地区の翌日に程野地区でも霜月まつりは行われる。朝、ガソリンを入れるため30km離れた飯田市内に戻った。市内に戻るには長さ4kmの三遠南信道矢筈(やはず)トンネルを抜ける。このトンネルが開通したのは1994年。今年は特に寒い。朝10時にトンネルを抜けると、向こう側の峠は雪道でミラーバーン。車を止めて試しに歩いてみると、つるつる滑る。よく車は止まるものだ、と改めてスタッドレスタイヤの偉大さに感心した。トンネルがなかった時代は大変不便だったに違いない。

程野は遠山郷で飯田市内に一番近い地区で150世帯ある。昨晩訪れた木沢は50世帯。祭りの開催には大きな費用がかかり大変だ。この地区の祭りを訪れる時には、数千円で良いのでご祝儀を持っていくのが礼儀。各地区には、仮眠所も用意してある(利用料金は1500円)。木沢は小学校が仮眠所だった。教室内に体育のマットと毛布が敷いてあり、缶ビールをもらった。程野は生活改善センターが仮眠所に。利用すると到着時にはフジッコ煮のおむすび、夜中には舞殿で食事をいただけた。祭りの飯はなんと旨いのだろう。仮眠所を泊まり続けるので宿は要らない。昼は公営の温泉「かぐらの湯」でゆったりと過ごす。こちらのジャンボエビフライはほんとうに大きかった。

 

 

 

 

 

 

霜月まつりが行われる程野正八幡宮に午後5時に着いた。釜戸に火が入り釜からは湯気が立っている。ここの釜戸は6ヶ所に開口部分があり、そこから炎がもうもうとしている。

神事が続く。

 

 

 

 

 

 

火の力が衰えないよう火切り石で火を入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前4時半、日本全国3150の神様にお帰り願う。

 

 

 

 

 

 

いよいよ地元の神様が登場。お婆が榊で里人を叩き回る。

 

 

 

 

 

 

政王大神・源王大神と呼ばれる遠山一族の霊が登場。

 

 

 

 

 

水の王、土の王による湯切り。午前5時38分

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ荒ぶる神、四面登場。迎える里人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヨウセォ」のかけ声で四面が大暴れ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に最高神「天伯」。程野では五方に弓を射り邪鬼を払う。

長野県飯田市
程野の霜月まつり
12月14-15日 /撮影 芳賀日向

 

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芳賀 日向

はが ひなた

1956年長野県生まれ。日本写真家協会会員。日本・世界の祭り、芸能を48ヵ国にわたり取材。『週刊朝日百科 日本の祭り』シリーズ連載(朝日新聞社)、『日本の祭り』監修(旅行読売出版)ほか。芳賀ライブラリー代表。


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